私の名前はキム・サムスン 「第15話 恋愛術の定石」 |
この、エレベーターをつかう演出がけっこう好きです。
とりあえず、サムスンを待たせて、ヒジンを部屋で休ませるジノン。待っててって言われても、おとなしく待てないよね。ドアベル鳴らしてドアがんがん叩くサムスン。
出てきたジノンが理由を説明して、誤解するなって言ったって、そうですかとは言えないよ。
「俺が信じられないの?」
「彼女と二人でいる時間が信じられない」
ジノンの部屋のドアを開ける暗証番号もいつの間に覚えたんだろ。さっさとあけて、中に入ったサムスン。
なにか食べるものを作る、自分も泊まると言い出すサムスン。さすがにヒジンが帰ろうとしたけど、具合悪そうな彼女を帰らせるようなサムスンじゃないよね。
「私が帰るわ。朝一でおかゆを持ってくるから」そう言って、二人を残し、部屋をでる。心の中は不安でいっぱいだろうに。
庭で爆睡してる犬5000万ウォンに、「恋ってなんてつらいの?お前は恋なんてするなよ」って話しかけてたら、携帯がなる。サムシクだった表示も、私のホニに変わってるじゃない。
「無事に着いたか?どうやって帰った?」バスルームから電話かけてるジノン。
「遅いからタクシーで」
「今度から模範タクシー使えよ」
「(まったく)」
「サムスン、ありがとう。いろいろと」
「言葉だけ?」
「チュ」携帯にキスするジノン。
「チュ」お返しのキス。
「おやすみ」
「おやすみダーリン」
いいなぁ、たまんねぇって顔のジノンがいいねぇ。
いきなり元気になって、犬に、「さっきのは取り消す。お前も恋をしろ」とサムスン。
「恋っていうのは、つらかったり、心がズキズキするけど、やっぱりいいものよ」
(韓国で2ランクあるタクシー。模範タクシーは接客態度がいいんだそうです)
ヒジンはソファで眠るジノンを見つめ、夜中にひとり、帰っていった。この人とはやり直せない、もう終わったんだって、眠るのを別々にしたジノンをみて見極めがついたかな。でもつらいよね。あんなに仲良かったのに。
サムスン、一生懸命お粥つくっていたら、お母さんが起きてきた。
「ホニが病気なの?」しかたなくうなずくサムスン。キムチを出してる娘を見て、
「妊娠してるのは嘘でしょ。ほんとだったらキムチの匂いを受け付けないものよ。
つりあわない家に嫁がせて、苦労させたらお父さんに怒られそうだわ」
「大丈夫。頑張るわ」と母の背中に抱きつくサムスン、かわいい。
サムスンがおかゆを持って朝早くやってきた。ちょっとドキドキだわ。でもヒジンは夜中に帰ったと聞いて、彼女の家に押しかけるのがおせっかいっていうかなんだか。
食べないって言い張るヒジンが、よそってくれたお茶碗のおかゆを流しに捨てちゃった。人の親切を無にしてって怒るサムスン。髪の毛掴み合いの大喧嘩。
「嫌な女」「そっちこそ」「罪滅ぼしのつもりで来たのに。私だって辛いんだ」
「何やってる!」そこにやってきたヘンリー。いいタイミング!
そのころ、ジノンはレストランでバリバリ働いてる。パティシエ見習いのイネを手助けして、なにかジャラジャラしたもの渡して逃げてくキバン。きょとんとしてるイネ「?」田舎から出てきたとはいえ、とんでもなくニブイ子だ。
サムスンのほうは・・・ヘンリーのおかげで喧嘩は中断。ヒジンは点滴。サムスンはヘンリーに花札教える。これはいいカモだって思ってたら、ヒジンが応援。しかも、サムスンから情け容赦なくお金をまきあげる。
「医大じゃ花札を教えるのか!具合悪いっていって、花札やってたんじゃないか?」散々なサムスン。
その頃、姉イヨンはケーキのお店の賃貸契約をしてる。予算より高かったあのお店を結局借りる事にしたんだね。サムスンに電話するけど、サムスン花札に負けてそれどころじゃない!
イ料理長はジノンに「サムスンをどうやって落としたか?」秘訣を教えろってせがんでる。
「タダで?」とジノン。
同じ札でも時によって点数が変わるのはなぜって聞くヘンリー。それはゲームを考えた人が決めたからじゃないって答えるヒジン。そりゃそうだってバカな質問したって笑うヘンリー。
「僕になにか感じない?心のときめきを」
「・・・いいえ」っていうけど、ほんとは違うよね。違うだろって顔するヘンリーもいいよ。
「知ってる?誰もが未来に向かって歩んでるのに、君は過去で止まってる。壊れた時計みたいに。電池を換えてあげようか?何がいい?ニッケル?水銀?選んで♪選んで♪」
明るいヘンリーのしぐさに、やっと笑ったヒジン。
「私、アメリカに帰るわ。両親の元に。大学はむこうで編入する」とヒジン。
「もう、韓国に戻らないの?」
「どうして?私がいると邪魔?」
ヒジンもやっと電池を換えることにしたんだ。
「就職を世話するよ。卒業したらうちの病院においで。インターンとして」
「イエス、キャプテン」
ヘンリーのおかげで元気になったみたい。
イ料理長は高~い洋酒の代償に、イヨンを口説く秘訣を教えてもらう。
ジノンたら、サムスンのブタのぬいぐるみ買ってきて、「これが秘訣」って?
信じない料理長に「食いついたら離れないやつです」
「何に?女性に?」
「ふふっ。それはこいつにまかせて。酒好きなのは有利だ。あとはカラオケですね。出来れば演歌がいい」それはお母さん向けの戦略だけどね。その前にイヨンの気持ちがねぇ。
あくまでも疑いの目で見る料理長だ。
サムスンのおかゆを食べてみるヒジン。一口、二口・・・(うん、おいしい)ってどんどん箸が(スプーンが)すすむ。
ジノンを呼び出して、アメリカに帰ることにしたと告げるヒジン。
「ここに残る意味はないし」それを聞いてちょっと辛そうなジノン。
「最後にお願い。私を送って。アメリカまで」って言うのは何故?分からないなぁ~。
「1人じゃ辛いわ。送って・・・即答できない?」
うろたえつつ、それに「いいよ」って言っちゃうジノンも、優しいのか、負い目があるからなのか。
「最後だから」とヒジン。
「分かってる・・・」とうなずくジノン。
気まずいまま別れるよりも、アメリカまで送ってもらい(送ってあげて)元気になってさよならしていい思い出にしたいっていうのか。好きだった女を望みどおりに送ってあげるってことに自己満足?責任を果たしたと思いたいのか。二人の考えがよく分からない・・・
相変わらず、改名届けだそうとして、役所の前で邪魔するヤクザと頭脳戦のサムスン。あと一歩のところで、やっぱり書類を破かれちゃった。怒って、ジノンをレストランに訪ねたけど、彼は留守。
チェリに呼び出されたジノン。そしたらジノンの母に頼まれてお見合いさせるために呼び出したって。それ聞いて帰ろうとするジノンだけど、相手がチェリの知り合いだからって無理やり・・・
レストランでは、イネがサムスンにキバンのことを相談。「ヘアピンくれたの?」あれ、ヘアピンだったんだ。映画にも誘われたけど、訳わかんないっていうイネ。
「あんたが好きだからよ」って教えてあげるサムスン。キバンなんてタイプじゃないっていうイネ。
「青春は短い。悩んでないで、若いうちはいろんな男と付き合って、男を見る目を養うの」
サムスン人に教えられるほどじゃない気がするけどね。
ジノンがお見合いしてる事をサムスンにチクるチェリ。
怒りながらお見合いの席にやってきたサムスン。
「サムシク!こんなのあり?私にはお見合いするなって言ってたんじゃない」
ジノン、笑いながら見合い相手に「ほら、これが彼女ですよ」
「何たくらんでるの?早く立ってよ」とサムスン。
「ちょっと座って涼んでいけば?」平気な顔のジノン。
「ぶちきれるわよ!」と怒鳴るサムスン。
「こんなところで大声出すなよ」
「さばさばした人ですね」とお見合い相手の女性。
「ええ。早く行こう。今日は産科の定期健診の日よ」と爆弾落とすサムスン。
「この手が結構効くんです。そちらも成功するといいですね」と平然としたジノン。
「お互い頑張りましょう」と微笑む見合い相手の彼女。
「では失礼。張り倒されそうだ」とやっと席を立つジノン。
つまり、相手の女性も親に反対されてる交際相手がいるんだった。な~んだ。
事情が分かって恥らうサムスン。そんな彼女に微笑んで、ミジュと3人で出かけようとジノンが誘う。
3人で遊びに行ったのは水族館。
「子どもができたらこんな感じ?」ってはしゃぐサムスン。
(このCOEXの水族館、私たちも夏にソウルに行った時立ち寄る予定が疲れて断念したところ)
仲良くいろんなお魚を見て、さわるのもやってみて、さて食事だ。
たまねぎ嫌いなミジュのため、サンドイッチから玉ねぎよけてあげるジノン。体にいいから食べなきゃっていうサムスン。
「私は叔母さんよ」って言い出すサムスンに笑ってるジノン。
「叔母さんって言ってみて。言わないと食べさせちゃうよ」
しゃべれないだろから、ミジュがあきらめて玉ねぎ食べると思ったんだろうな。
もう泣きそうなミジュ。
「泣かせちゃうからよせ」ってジノンが結局玉ねぎ抜きのサンドイッチ食べさせてあげる。
「私にも」って甘えてみるサムスンに、ジノン「えーい(やめろ!)」だって(笑)
夜、ジノンの部屋で。
ミジュを抱っこして「モモ」を読んであげるサムスン。彼女を見て微笑むジノン。ミジュもお話を聞きながら眠りの世界へ。モモになりきったミジュが海がめに導かれて「時間・分・秒の博士」(サムスンのブタのぬいぐるみ)と出会う。
サムスンにアメリカ行きのこと打ち明けるジノン。
「一週間も?どうして?」
ヒジンを送っていくのだと話すジノン。そりゃ納得できないし、理解もできない、当然ぶちきれるサムスン。
「彼女が落ち着くまで、1週間でいいと思う。そうしたらすぐ帰ってくるから」
「ヘンリーもいるのに、どうしてジノンまで一緒に連れて行くって言うの?ヒジンさん変だわ」
そうだそうだ!変だもん。
「友達だからいいだろ」
「いつから友だちになったのよ!」
「ミジュが起きちゃうだろ」とだんだん声が大きくなるサムスンをいさめるジノン。
「いやよ!行かせないわ!」
「最後だから」
「最後を飾るために、わざわざアメリカまで?」
「そうしたい」
「なぜ?初恋だから忘れられない?つらいから?」
「誤解だよ」
「今度は彼女に同情してるの?どこまでお人好しなの?」
「違うって」
「いっそのこと、よりを戻せば?我慢も限界よ」
「残念だ。分かってくれると思ったのに」
「どう分かれって言うの?どうしても行くなら別れてから行って」
「バカ言うな。たった1週間だけだろ」
「人の心はすぐ変わるわ」
「心変わりするくらいなら付き合ってない」
「じゃあ、行かないで。私が嫌って言ってるのに、行くつもり?」
怒鳴りあいの喧嘩になってる二人。
ヒジンに直接話をするというサムスン。
「どこへ行く?みっともないだろ!」
「みっともなくていい。本人と話してくる!」
そこに聞こえてきたミジュの泣き声で我に帰った二人。いつのまにか目覚めて近くに立っていたミジュ。
「叔父さんきらい。怒らないで。大きな声出さないで。けんかはやめて」って泣きながら・・・しゃべった!何度も何度も「けんかは止めて。仲良くして」って言うミジュを抱きしめるジノン。サムスンもジノンも、目から涙が。
前の恋がつらくって、永遠の愛なんてないんだって言ってたサムスン。愛が色あせた事をあんなに悲しんでいたものね。愛なんて信じないって言ってたジノンが、今は信じろって言うようになったのはヒジンが戻ってきた事と、サムスンの影響なんだろうけど。
サムスンを送ってきた車の中で、「嫌だって言うなら行かないよ。満足?」ってジノンは言うけど。
「行こうとした事自体が不愉快よ。いつも3人でいるみたい。ほんとにいやよ」
ふきげんなまま家に入ろうとするサムスン。
「振り向かないで行くつもり?」と追いかけるジノン。サムスン、振り向かないで家に入って行っちゃった。ジノン、ぼう然と置き去りに。
イヨンとサムスンのケーキ店。いよいよ機材を搬入。ネットショップにも出店する賢いイヨン。どうして姉は賢く、妹の自分は鈍いのかとサムスン。「サムスンだから」ってあっさり答えるイヨン(笑)
「さびしいの。電話して」とサムスンからのメールを(そうはいくか)と無視するジノン。でも、あとから(夕食一緒に食べようをやめて)「電話しろ」とメール。
(水族館に行った日にけんかしてから数日後の今日になっても電話も来ないと思いながら)バスに乗ってて、ドキドキしながら携帯見つめてたくせに、えらそうに命令かよ!とメールを無視するサムスン。
どっちが先に電話するか。喧嘩したから意地の張り合い。ついにジノンが電話かけたけど、電源はずして電話に出ないサムスンはバスでどこへ?
「無視か。いい度胸だ」いらいらしたジノンはどこへ・・・
ヒジンの部屋に行ってみるサムスン。ヒジンの部屋は、もう荷造りは進んでて、出発は近い。
「アメリカまで送っていってと頼んだのは何故?」
「話す必要あります?」
「私の彼だから」
「自信満々ね」
理由はいいたくないというヒジン。
「思い出は無意味?(前にサムスンが言った)たしかにそうよ。でもコインの裏表と同じで、思い出は消えない。彼を奪う気は無いわ。ただ、私たちの思い出の最後を大切にしたいだけ」
「簡単に言って」
「つまり、お別れ旅行」
「たいそうなお別れね。人の男を連れて行くわけ?」
食事のほうはどうかと聞くサムスン。
「食べたの?全部?」食べたと答えるヒジン。
お粥のポットは返してもらい、(美味しかったとか言ったらどうだ?それにキムチの容器はまだ返せないって、他の入れ物に移したらどう?)
「おいしかった?」
何でって言う顔のヒジン。「ええ」
「気持ちを込めて作ったから。だから、ジノンは行かせない。ぜったい嫌よ」
イ料理長のほうは、イヨンに結婚の申し込み。ブタのぬいぐるみあげても、そっけないイヨン。
「結婚がいやなら同棲しよう」
「いやよ。法的権利もなしに、家事を押し付けられるわ」と冷静に分析するイヨン。
「性格直せ!」と怒ったついでに、ぬいぐるみに八つ当たり。かわいそうにってぬいぐるみに優しくするイヨン。
でも、ぬいぐるみが効果あるか(無さそう)・・・
サムスンが家に帰ってみると、門の前に待ち続けてたジノンが。
「どこ行ってたんだ!携帯の電源はずして。2度と無視するな。それから、一人で出かけてるときは1時間おきにメールしろ」
いきなり束縛男になってる。
「ヒジンさんのとこにいってた」そして「行くの?」
「行かないって言ったろ」
「行かないで」
判ったって言う顔のジノン。
「もし、私が許したら、行きたい?」
「・・・うん」そして「送ってあげたい」
「一週間だけ?本当に戻る?」目を潤ませながら話すサムスン。
そして「行って来れば?私の気が変わる前に、さっさと行って!」
家に入ろうとするサムスンの手首つかんで抱き寄せるジノン。
「ありがとう、サムスン」しっかりサムスンを抱きしめて、ジノン信じてもらえたって嬉しそう。
「このほうが、わたしは楽だから」って言うサムスン。いつまでも抱きしめてるジノン。
「名前、ヒジンに変えてもいいよ。俺はサムスンって名が好きだけど、変えていいよ」
「親指姫みたいに、君をポケットに入れて歩きたい」
「私は・・・マフラーになって、あなたの首にぐるぐる巻きつきたい。独り占めしたいの」
フフッて笑うジノン。
「ヒジンさん、お粥全部食べてくれたって。だからもう心配ないよ」
「ありがとう」といつまでも抱き合う二人・・・
おかゆを食べたから拒食症は大丈夫だろうし、ヒジンが元気ならジノンも気が楽になるだろうし。
役所に改名届け出しに行ったサムスン。今までは邪魔されて、書類を破かれてたのに、もう邪魔するものはいない。
・・・昨日、彼は発った・・・・姉は私を世界一の馬鹿だと怒った・・・・私もそう思う・・・・
・・・だけど、恋に落ちる事自体、ばかげたことなのだ・・・私の名前はキム・サムスンがいいという彼も、やっぱりどこかばかになったに違いない・・・・
改名の書類を出したサムスン。
ハルラ山の上のことを思い出す。「俺はサムスンがいいって言ったろ」それに、山から下りてホテルで「キム・ヒジンのためじゃない。俺の言葉を信じて、登ってくれたサムスンに、誠意を見せなくちゃ」って言ってたジノン。
「受理されたらヒジンになるんですよね。期限は今日までですよね」
迷って、書類を返してもらって・・・ビリビリ破いた!30年来の念願だったのに。
私はキム・サムスン。彼が好きな名前で生きていくことを選ぶ。
・・・・恋は本当にばかげている。
そして、1週間が過ぎた。長い長い1週間が。彼は・・・帰ってこなかった。
アメリカに行きたいかって聞かれて、ジノン正直に気持ちを言ったんだよね。「うん」って。ヒジンが心配だ。たとえヘンリーがいたとしても、頼まれればついて行ってやりたい。(頼むほうはどうかと思うけど)
その気持ちが分かるから、彼を信じたサムスン。彼が帰ってきても、来なくても、彼を行かせたのは自分で決めたことだから後悔はしないはず?駄目になるのも運命だって諦めてる部分もあるのかな。