『玉骨遥』1〜8ネタバレあらすじ |
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2024年 02月 19日
中国ドラマ『玉骨遥』1〜8ネタバレあらすじ 全43話(2023)WOWOW 2024年 1/4〜木曜20時2話づつ放送 (アーカイブ配信なし) シャオ・ジャン、レン・ミン、ファン・イールン、ワン・チューラン、ワン・ズーチー、リー・ミンドー 大ヒット小説『鏡』シリーズの『朱顔』より。ファンタジー古装劇。濡れ衣を着せられ死を偽装した世子・時影。時影を悼んだ郡主・朱顔。大人になって運命の再会。朱顔は時影に死をもたらすもの?会ったら殺す定めと言われる時影と、あれこれあって弟子入りした朱顔のお話。 第1話。 荒涼とした岩山と砂漠の果てにある霍図部(フォトゥブ)に輿入れした、赤族の郡主 朱顔。花嫁を待つのは親王カルクと大妃。 朱顔は自分で描いた瓜二つの姿絵に命を吹き込み代役に仕立てる。 人々は郡主が帝君の命で嫌々婚姻すると噂。他に好きな人がいるのさ。でも断れば赤族に塁を及ぼす。侍女は朱顔を止めるが。 どうしても嫁ぎたくない。好きな人に嫁ぎたい。 侍女はその方は一生お嬢様を娶らないと忠告。 婚礼が始まる。花嫁の髪には白いかんざしが。婚礼は突然砂の魔物に襲われる。遠くで魔物を操る本物の朱顔。偽朱顔は魔物の手により倒れ、本物の朱顔は馬で逃げ去る。これでもう二度と嫁がされることはない。 泉のほとりに馬を止め、手を洗っていた朱顔の前に、傘をさした白い衣の男が舞い降りる。朱顔の師匠 時影だ。その手には白いかんざしが。 「私の贈り物を粗末に扱うのだな」と時影。「どうしてここへ?」と聞かれて「私を婚礼に招いたのはお前では?」 空桑(くうそう)嘉蘭(からん)皇城 白塔 黒い衣の時影が剣の修練に励む。 『この世の中心に大陸があり、名を雲荒(うんこう)という。空桑人 鮫人 氷族が、いにしえよりそこに住んでいた。7000年前、空桑の琅玕(ろうかん)は雲荒を統一。だが破壊神 虚遥(きょよう)に心を惑わされて操られ、さらに国内では六王が暗闘を続けていた。国外でも鮫人と氷族が乱を起こし、雲荒に危機が訪れようとしていた。民の不幸を娯楽とするなら、神は崇められる資格がない。神を弑虐する者は存在せぬが、この時影が先駆者となろう』 時はさかのぼる… 子供の頃のお話し。時影は剣の修練に励んでいた。朱顔は木登りして嘉蘭皇城の白い雪寒薇(せつかんび)を摘もうとしていた。時影は木の上の少女が花を摘むのを助けた。彼女は赤族の郡主と名乗り、花を摘んで世子に贈り、謁見して法術を習うお許しを頂きたいと話す。時影こそが世子だった。神霊の恩恵を受け日月の輝きに春花の美貌を持つ世子。朱顔にそう言われて時影は嬉しかった。 時影の母は皇后 白嫣(はくえん)という。皇妃の鮫人 秋水(しゅうすい)は懐妊中。皇后が皇妃に道を譲る。朱顔は蜂に驚いて雪寒薇を持ったまま秋水の前に落下! 赤族の王である父に罪を着せようとする秋水。花は赤族の罪の証しとされ踏み躙られる。朱顔を叩く秋水を止め罰を与える時影。花は時影が法術で蘇らせた。世子が許した証しとして父上に見せれば法術を習うことができる。習うのに男女の違いはない。 万寿殿では時影の立派な舞に父の帝君 北冕(ほくべん)帝も皇后も目を細めた。皇妃 青雲と第二皇子の時雨(じう)、藍(らん)王の藍田玉、青王の青東方、白王の白敬安、赤王の朱高照、玄王の玄遠之。遅れて現れた秋水は時影の悪口を帝君に吹き込む。秋水閣で待つと言って去っていく秋水。帝君は時影を罰して夜警を命じた。幼い時雨は何も食べてない兄を案じた。 夜。時影は策略で秋水閣に誘い込まれ、帝君の目の前で時影が刺したように見せて秋水は自害。光の粒となって消えた。帝君は時影の言葉を信じず手にかけようとした。皇后は我が子をかばい帝君を責める。 朱顔は父から世子が秋水に手をかけたと教えられた。皇后が火を放ち、母子心中したと。燃える坤元(こんげん)宮。朱顔は自分を助けたことがきっかけで、こんなことになったと、泣いて自分を責めた。 侍従は帝君に報告。火を放った皇后は助かったが顔が焼けて喉も潰れた。世子は…見つかったのは焦げた遺体のみ。帝君は時影は不吉だと言って、城外に埋めるよう命じた。 葬儀は不要。追悼も許さぬ。墓碑も建てるな。位牌も不要。今後、その名を口にしてはならぬ。逆らったら一族皆殺し。白族の白嫣は皇后の位を剥奪し、幽閉せよ。 葉(よう)城 赤王府で朱顔が落とした雪寒薇を届けたのは、家職の赤淵(せきえん)だった。寝言で花の名を言っていたので、大切なものだと思い馬車から屋敷に。優しい赤淵は秋水と同じ鮫人なのに大違い。朱顔は勅命に背いても世子を弔いたい。世子は悪人じゃない。すると赤淵は一緒に行きましょうと言ってくれた。「家職として郡主を守るのが務め。郡主が世子を弔いたいなら、私は危険からお守りします」 墓掘り人は世子の悪口を言う。実は生きていた時影は人の心の浅ましさを知った。その肩を掴む者は? 火事の時、世子は逃げたが母は…あの時、母は白薇皇后が残した上古の法器 玉骨(ぎょっこつ)を大司命に渡した。大司命は時影の分身を身代わりにして火事で死んだと偽った。九嶷山(きゅうぎさん)の大司命がこれから時影の師匠となる。母は大司命を鈺(ぎょく)と呼び、時影を託した。自害などしないと母は言い、人を恨まず復讐もしないと肝に銘じるように諭して、時影を皇宮の外に逃した。墓掘りの言葉に「これが人間だ」と大司命は言った。 突然、空が明るくなって墓掘りは逃げた。大司命は法術で時影の命星を遮った。 「月と太陽が同時に現れる現象。これこそが私が運命をねじ曲げた反動」そう言うと大司命は墓から玉骨を取り出し時影に渡した。 「私と九嶷山に来い。数年修行すれば真の己れに戻れる時が来る。今日失ったものも取り戻せるはずだ」 時影は「大成した暁には嘉蘭に戻り、母の汚名をそそぎ救い出す」と誓った。 世子が世を去ったと信じている朱顔は、雪寒薇を供えて世子を弔う。花に落ちた涙。花から放たれた光が朱顔の額に花の紋様を描いた。雪寒薇は光となって夜空に飛んだ。 大司命はそれを見て、時影の命星に災いの反応が出たと慄いた。「殿下のために祈る者がいる」と。 「その者に会えば陰陽交わり、瑠璃花が現れる。その時は殺さねばならぬ。いずれその者が殿下の命を取る」 赤淵もその光を見た。 「雪寒薇に特別な点が?」 あの花には世子が枯木逢春術をかけた。 「花が生き返るなら、人も?」と朱顔に聞かれ、赤淵は「空桑の法術は奥が深く、修行者も多い。きっとあるでしょう」と希望をもたせた。朱顔は法術を学んで世子を生き返らせると誓った。 5年後。 断崖絶壁、雲に包まれた九嶷山 繁星湖(はんせいこ)で修行する白い衣の若者。それは成長した時影。手のひらに集まる水滴。 第2話。 水滴を集める清音露鈴は失敗。母の誕生日までに習得して届けたいと思う時影。 九嶷山の望星広場では諸王と郡主が集まってきていた。望星大典のための供物をめぐり、青王と白王が張り合う。白王の2人の娘のうちどちらかが大典の望星使になる。それが将来の世子妃?青王は世子も決まっていないと咎めるが。 成長した朱顔も九嶷山にやってきた。神官に九嶷山一の法術の使い手を尋ねるが、彼はただの神僕で法術の使い手は知らないが、いろいろ説明してくれた。法術を習練できるのは神官のみ。法力により位が分けられる。司徒、司馬、司空、司命の四段階あり、法力が最も強いのは祭祀を司る大司命。朱顔は大司命なら元神を元に戻せるかと尋ねた。神僕はそんな天命に逆らう術があるのかと。そんなのないだろうと言わんばかり。 時影は清音露鈴を習練中。邪魔する鳥は重明(ちょうめい)という神鳥で百雀の王。万年の修行を経てこの姿を得た。人になったり鳥になったり。美貌が自慢。 重明は10年に一度の望星大典を見にいこうと時影を誘ったが。18歳まで谷を出られない時影のために神僕の衣まで用意したが、時影は行かないの一点張り。18歳まで女子に会えず、帝王谷にいなければならない時影。18歳までまだ間があると重明は気晴らしに誘う。時影に断られ、重明は飛び去った。時影は実は思いやりに感謝していた、 九嶷山 別院。朱顔は神君に陰陽を突破する太古の秘術があるか尋ねた。大司命がそれを耳にして、生死はすべて運命だと諭す。「つまり人には定められた寿命がある。陰陽を突破するのは天道に背く。修法者の一大禁忌だ。そんな術を習得した者はいない」そして「寝所と祭礼の場以外は決して単独で立ち入らぬよう。特に裏山の帝王谷には。そこは歴代の帝と后の陵墓で聖域だ」と警告した。「白薇皇后の后土の指輪と、古代の神獣 重明が守護している。侵入して帰れたものはおらぬ」 時影はついに術を習得した。さっそく嘉蘭皇城 坤元宮の白嫣皇后に贈った。母上には、これが必要だ。大火で潰したのどを回復できる。法術の小鳥が贈り物を運ぶ。時影は母に会いたい。18歳になったら迎えに行くと決めている。 顎にかすり傷を負った重明が大騒ぎする。治す薬草のために薬神峰に葉と花を摘みに行こう。時影を乗せた重明は、決して大典を見に行くわけじゃないと言い訳け。 望星使を勤める白家の雪鶯(せつおう)は朱顔の幼なじみだ。朱顔は重明が鳥になって飛ぶのを目撃。背には人影が。仙人?朱顔は追いかけた。禁じられた聖域に迷い込む朱顔。顔に怪我をした小鳥に薬草を塗ろうとしたら、怒った重明は飛び去って、巨大化。重明神鳥に会えて朱顔は喜んだ。重明に意地悪されても前向きな朱顔。後から現れた時影は、重明に仙友がいるか聞いた見知らぬおなごに興味を持つ。 舞を披露する庶子の白雪鷺(せつろ)は、嫡女である妹の白雪鶯と望星使の座を争う。控えめな雪鶯。親友を助けたい朱顔。望星使の舞手は雪鶯に。 西海氷川の氷族大殿では、その様子を見ている者が。それは智者(ちしゃ)と呼ばれる者。なんだかダースベイダーみたいな感じ。 「空桑はこれほど衰えながら、まだ仰々しく望星大典を行うつもりなのか」 仲間が集結したという配下のフカンの報告で、智者は帝王谷に潜入し后土の指輪を探すよう命じた。后土の指輪を得れば、これが奴らの最後の儀式となる。10年後には、もはや空桑はない。 后土の指輪とは?ロードオブザリング的な? 雪鶯は朱顔に望星使となって舞う時の衣を見せた。それは母上が存命中に特別に作らせたもの。腹黒い雪鷺はその舞衣を無理やり借りると、わざと崖下に落とし自らも落下。姉を助けた雪鶯。崖下は聖域の帝王谷で立ち入れば死だ。舞衣はもう戻らない。このままでは望星の舞手つまり望星使は雪鷺のものに。朱顔は密かに親友のために舞衣を取り戻すと決めた。 雪鷺の次の狙いは時雨だった。世子妃になれば誰も私の出自を批判しない。 朱顔は迷墨で侍女の玉緋を眠らせ、帝王谷へ向かった。谷を降りる時に手に怪我する朱顔。 重明は、ペラペラ口数が多いが実を伴わないあの娘が、何か企んでいると思い込む。実に憎らしいと。 強がっているが、大司命に警告されて帝王谷に入るのが恐ろしい朱顔。ようやく舞衣を見つけた朱顔はちょっと着てみることにした。時影は侵入者に気づく。湖でくるくる舞ってる娘は誰?バランスを崩した朱顔を助けた時影。運命の再会。朱顔は重明の仙友に会えたと思い嬉しい。世子とは分からず神君と思い込む朱顔。時影には娘がむかし和露園で会った赤族の郡主だと分かった。 朱顔は神君に元神を元に戻す法術があるか尋ねた。昔と変わらぬ性格の朱顔。鳥の姿で飛んできた重明が人に変わったのに感激。重明はそれどころではなかった。時影がおなごと顔を合わせてしまった。 「この子はお前の…早く殺せ」 時影は朱顔に向かって術を! 第3話。 時影が朱顔に術を放った!と思ったら、朱顔の後ろにいた氷族に向けてだった。襲いかかる氷族。時影は重明に大司命を呼びに行かせ、朱顔を助けてウルバリン的な爪の氷族と戦う。朱顔も術を使うが舞衣に飛び火!衣はボロボロに。それを時影が脱がせて衣は燃えてしまった。 時影は残りの氷族と戦う。そこに援軍が来て氷族は逃げた。朱顔が見つからないように、時影は朱顔を小さくして自分の衣の袖に隠した。どこに飛ばされたか分からない朱顔。袖の中は雪寒薇の香りがした。大司命には朱顔のことを内緒にする時影。重明にも話させない。袖の中で朱顔は目を閉じた時影に出会う。何をしても反応しない時影。 氷族はなぜ帝王谷に来たのか?后土の指輪を狙ったのでは?と時影は大司命に伝えた。后土は空桑を守るといい、選ばれし者しか扱えぬ。なぜそれを氷族が? 空桑の権力者が氷族に通じていて、九嶷山の警備が手薄な時に襲ってきた? 袖の中で動かない時影が幻だと思い、朱顔は眉間や鼻筋に指を伸ばした。触られて本体の時影はついに反応。いぶかる大司命は、余所者がいると気づいた。誰にも会っていないと嘘つく時影。朱顔は耳たぶを引っ張った。本体は思わず耳を押さえる。 朱顔は「私を留めておくのは理由があるからよね。おとなしく待つ」と言いつつ、幻のほうの時影を見つめて、会ったのは初めてじゃない気がする。「2人とも額の形が綺麗だから」とおでこに触れる。 本体が額を押さえるのを見て、大司命は「5年前の災いの予言を覚えているか?」と聞いた。「お疑いなら調べてください」と澄んだ目で答える時影。 袖の中で、朱顔は時影のまつ毛が世子とそっくりだ思いながら触れようとした。その瞬間、幻の時影は目を開け、朱顔の手首をつかんだ。朱顔は元の大きさになり、現実世界へ。 ペラペラうるさい朱顔。時影は朱顔の記憶を消した。朱顔を抱き抱えて寝所に戻す時影。心の中で「悪かった」と詫びた。 重明は朱顔を生かしておいてはまずいと主張。朱顔に会った時影の動揺を見抜いた重明。大司命は皇宮から逃げる時に言った。「分身が引き受けた厄は、たび重なる偶然で再びお前の身に。18歳より前にも出会えば、その娘に殺されるだろう。心して行動せよ」 「后土を盗みに帝王谷に入ったが、話と違い見張りがいた。強敵に阻まれ収穫はなしだ」 青王 青東方にそう告げるフカン。次に何か知らせる時は、きちんと調査するよう釘を刺した。 朝。目覚めた朱顔は昨夜のことを覚えておらず、なぜ手に怪我をしてるか分からない。帝王谷に行った? 雪鷺は后土の指輪を探し当てれば皇后になった時に護身符になると思った。 重明は朱顔を調べ、時影に報告。「あの郡主は盛夏の生まれ。災いにはならぬ」 瞑想してる時影は相手にしない。重明は不作法だが明るいあのおなごが災いにならぬなら、捕まえて時影の話し相手をさせようと言い出す。 「今は修行し、術を極めたい。18歳になった暁には、母の無実の罪を晴らすのが私の望みだ。とっぴなことは言うな」と時影は諌めた。「痩せ我慢だな!」と決めつける重明。「初めて白薇と出会った時、星尊帝も同じだったぞ。あの娘を見た時のお前の顔だ」そう言う重明の口を禁言術で封じる時影。 「誰かが谷に入った!」 「またよそ者か?だが未熟者だ。もしやあの娘か?会いたくはないが、わしが…」「勝手にしろ」 谷に降りてきたのは雪鷺だった。雪鷺は湖に行くと、母が安らかに眠れるよう指輪 后土に祈った。飛んできた鳥の重明を見て失神した雪鷺。柔らかそうなので食べようとする重明を時影は止めた。「私の従妹で予言とは関係ない」 時影は母がどうしているかを聞きたかった。目覚めた雪鷺は「坤元宮にとらわれ、面会は禁じられている」と話した。なので近況は知らない。だが時影が術を使うと、「ひどい扱いだとか。食事は少なく病の時に追加の寝具もない」と話す雪鷺。 時影は「国母である母上を帝君はないがしろに?」と憤る。時影は雪鷺の記憶を消すと重明に送っていくよう頼んだ。「大司命に会う。母上をほおってはおけない」 大司命のいる九嶷山の座忘宮に急いだ時影。そこには誰もいなかった。時影は嘉蘭に行くと決意。しかし、大司命が戻り、時影を止める。母上が酷い扱いを受けてると訴える時影に、大司命は母上は亡くなったと告げた。炭を飲んで自害。時雨には信じられなかった。大司命は預かったふみを時影に渡した。 母は時影の会いたいというふみを読み、時影が贈った清音露鈴で声が変わったのを実感。 『5年足らずの修行でこれほどの成果を出すとは。母は嬉しいです。でも時影、もう私を忘れて。危険なの。あなたの存在を隠さねば。無事でいて。私の命があなたの足かせとなる』 外では侍女が青妃に皇后の喉が治ったと報告していた。「誰が治したのかしら?」と聞く青妃。「よく調べて陛下に報告する」と。 『時影、母の願いはひとつ。あなたが九嶷山で平安に生きること。私たちが恨むに値する人間はいない。だから敵(かたき)を討たないで。あなたは高貴な身。感情に流されて己を見失わないで。いずれ大成した時に、法術で民を守ってください。それこそが母の願い』 皇后は時影のふみを燃やすと、燃える炭を口に。 時影は泣き崩れた。大司命は「かならすかたきを討つのだ!」と命じた。時影は「私のせいです。私が母上を追い詰めた」と号泣。大司命は「違う。お前は悪くない。悪いのはお前たちを陥れた連中だ!」「いいえ。私です。母上を殺した。すべて私のせいです」時影が「私のせいだ!」と絶叫すると、天気は急変。 雪が舞い雷も! 「私のせいだ!滅べ!みな滅べ!」 大司命は感情で天象を変えられる時影の能力に驚愕。時影は「消えてしまえ!すべて私が悪いのだ!」と大暴れ。大司命はこのままでは時影の存在に気づかれると言って、自制させる。母を失った悲しみに打ちひしがれる時影。 白王は庭で倒れていた雪鷺を責めた。散歩に行き迷子になって知らぬ間に昏倒したと言う雪鷺。何も覚えていないと。白王は嘉蘭からの急報で顔色を変えた。「白嫣が死んだ。炭を飲んで自害を。幽閉生活はつらかったろう。帝君は葬儀をせず墓も建てぬ」 亡くなったのは昨夜の子の刻。それを聞き、雪鷺は叔母上の死は私にとって好機かもと思った。 「私が昏倒したのも子の刻でした。叔母上の何かを感じたのかも。子供の頃、乾坤宮に行くと、富貴の相があると叔母上に褒められました。叔母上の制御に呼応したのは天が定めし縁でしょう」 娘の話を聞いて、白王は思った。雪鷺は正室の子ではないが雪鶯よりずっと頭がよい。世子妃になれるかも。 白王は雪鷺のために厨房に燕の巣のあつものを作らせることにした。「次の皇后は誰か、我が白族の興亡に関わる。雪鶯は性格が甘すぎる。雪鷺、おまえが一番適任のようだ」 雪鷺がいつも持ってるイヤリングは何なのか? 時影は小さなお墓をつくり母を弔った。大司命の慰めに、時影は清音露鈴を贈ったせいで母が命を絶ったと言って泣いた。大司命はどうやって恨みを晴らすか考えろと命じた。「満18歳になれば災いは解け谷を出られる。その時は少司命に昇進させる。お前が熟練の域に達した時こそ、嘉蘭に戻り、帝位を奪還する時だ!お前の母が受けてきた屈辱を全部かたきどもに返してやれ。母の失ったものを一つ一つ奪い返せ!」 「奪い返す?殺したのは私です!この私だ!奪いかえす資格などない!私にはできない!できません」と泣き崩れる時影。 大司命は思った。こんな状態では、何も教えられぬ。 「時影、半刻後に六族の会議がある。嫣がどう裁かれるか、興味があるなら見に来い!」 そう告げると大司命は去った。 六族の会議で歴代帝后への供物の振り分けを告げる大司命の弟子。白嫣前皇后への供物は、青王が反対。「帝王谷に埋葬されていない事から、陛下の意は明らか。徳のある方々は祭祀で供養されるが、帝王谷に身の置き場がない白嫣など大典に居場所があってはならぬ」 玄王や白王まで賛成し、時影は怒りを抑えて天候悪化。雷鳴とどろく。青王は白嫣の名を抹消するよう要求した。大司命は時影に筆を持って来させて、名簿から白嫣の名前を抹消するのをわざと見せた。 自分の修練場所に帰った時影は、恨みと怒りで暗黒面に落ちそうになった。 「復讐してやる!」と喚く時影。驚いて駆け寄る重明も吹き飛ばされた。黒いモヤモヤが時影の周りに! 第4話。 黒いモヤモヤに包まれる時影。再び帝王谷にやってきた朱顔は、導かれるように谷の奥へ。以前、来たことがある気がする朱顔。重明はこの娘なら時影を正気に戻せるかも?と思い、急いで連れて行く。 怒りに我を忘れて大暴れする時影。重明が青王に見えて、攻撃!朱顔は咄嗟に重明をかばい傷つく。正気に戻った時影は朱顔に駆け寄った。 朱顔に寄り添い、鳥の重明の背中に乗せた時影。この神官には会ったことがあると思う朱顔。時影は術でパワーを送った。「顔をしかめないで。せっかくの美男が台無しよ」「私が傷つけた」「すごい力だったわ。でも大丈夫。母上が私は運の強い娘だって」 朱顔はひと月も会ってない母が恋しかった。 「あなたの叫びを聞いた。もう母上に会えないの?」 答えず眉間に皺を寄せる時影。 「神官さま」と言って時影の頬に手を伸ばしたが気を失いそうになる朱顔。 「大丈夫か?」「私は大丈夫よ。信じないなら約束して。私が目覚めたら一つだけ願いを聞いて」 「分かった」 朱顔は願い事を言う前に気を失った。 九嶷山の西冷河に朱顔を連れてきた時影は、氷河に座らせた朱顔のために、法術でパワーを集中させた。見守る重明。法力は陽、氷河は陰。朱顔の額に現れた瑠璃花。「陰陽交り瑠璃花が現れたとき、必ず殺さねばならぬ」と大司命は言っていた。「さもなくば、いずれその者が殿下の命を取る」と。重明も瑠璃花に気づいた。予言が成就した!重明は蘇生を止めるように言った。しかし、時影は「この娘は違う。身上書を見たはずだ」と拒んだ。「娘の出生日は予言と異なる。私と赤族の法力が干渉して起きた現象だ」「そんなはずはない。お前が手を下せぬなら、わしがやる」 時影は襲いかかった重明から朱顔を守った。 「災いの娘かは分からぬが、私の命を救ったのは確実だ。殺すのは道義にもとる」 「わしはただの鳥だ。道義心などない。嫌なことはわしが引き受けよう」 「娘を殺すなら私を殺せ」 「その娘が災いなら、いつかお前が殺される!長らく生きてきたが、即断即決を拒むと良い結果にはならぬ」 「即断即決だと?お前がもしそうなら、不遇な神官などなど見捨てたはず」 「頭にきて皺が増えた!」 重明は引き下がった。時影は思った。国中で恨まれていた時に、私を思ってくれた娘。まさかその娘が? 目覚めた朱顔は、なぜか体が濡れているのに気づいた。時影は「生身では陽の気に耐えられぬ。だからこの西冷河の極寒の氷を媒介に、霊力をそなたに注いだ」と説明。「私を助けるために霊力を?神官様には害は無いの?」「大丈夫だ。そもそも私の過ちだ」 朱顔は時影を褒めた。霊力を注いでもまだ術が使えると。元気になって重明のそばまで飛んだ朱顔。ニコニコしてる朱顔を襲おうとする重明だが、朱顔に話しかけられ失敗。 「ねえ重明様。あなた怒ってるの?私たち友達よね?」と朱顔に言われ、時影は「谷を長く離れたから怒っているのだ」とごまかした。「そなたの傷は癒えた。もう帰ろう」「神官様、あなたの傷はもう大丈夫なの?私が言ってるのは心の傷よ」 朱顔に胸を突かれそうになって動揺した時影。 「重明、帰ろう」と言われ、仕方なく鳥に変身して2人を乗せる重明。 背の高い時影が前に座ったら景色が見えず、後ろなら…寄り添ってもたれかかる自分を想像した朱顔。 実際には、朱顔を背に座らせ、時影は傘をさして翼の付け根に浮いて立っていた。はしゃぐ朱顔を羽ばたいて振り落とした重明。時影は空中キャッチしてメリーポピンズみたいに傘をさしゆっくり降下。見つめ合う2人。そこは時影の母の衣冠塚のそばだった。朱顔はお参りさせて欲しいと頼んだ。 「悲しみのあまり心の闇にとらわれたあなたに出会い、苦悩を静められた。霊力まで分けてもらった。この場所に降りたのは母上が計らってくれた縁(えにし)かもしれないわ」 お参りする朱顔を見て、時影は思った。すべて初めからの運命だというのか。この娘が災いをもたらすと? 「夫人とは面識もなく陰陽に隔てられていますが、縁に導かれお参りいたします」 拝礼する朱顔。重明も飛んできて、人の姿に戻ってお参りした。時影が摘んできた花束に、朱顔が手巾を巻いた。 朱顔に礼を言う時影。朱顔は「何があったか知らないけど、私はあなたの叫びは聞いた。そしてこの墓碑銘の無い塚。無念な死だと想像できる。闇にとらわれたのもそのせい。でもお母上も息子が穏やかに生きるのを望んでいる」 「好意は受けた。だがそなたはまだ幼く純粋だ。理解できぬ事情がある」 「それは違うわ。わたしは母を失望させたり、悪人を喜ばせたりしない。父の正室はいつも私を目の敵にして、排除する手をあれこれ考えていた。私を守るため、母はどんな屈辱にも耐えた。ある年の私の誕生日に、異変があり大雪まで降ったの。雪が初めての私は大喜びで、隠れて雪だるまを作った。それを正室は呪詛の人形と言った。母は正室に跪き、その雪だるまをひと口づつ飲み込んだ。その後、母は大病を患った。私は復讐を誓ったわ。でもそれが母を激怒させた。倒れる前の母の言葉を私は決して忘れない。こう言ったの。『私がここで守ってきたのは、卑怯ではなく堂々と生きてほしいから。怒りに身を任せれば己を見失い心がゆがむ。それこそ私が恐れること。お前を憎む者たちの思うつぼよ』 時影の胸によみがえる母の言葉。大きくなって母上を守ると言った時、母は守るのは母1人では無いと言った。天下を背負う者として空桑の民を守るのよ。 朱顔は話を続けた。「母の教えを受け、私は雑念を捨てて楽しく健康に過ごした。正室は陰謀や嫉妬にとらわれ、そのために私が9歳の時に病に倒れた。だからあなたも分かってほしい。それが私の心から思い」 重明は朱顔の生まれたのは真夏では?と尋ねた。なぜ誕生日に雪が? 朱顔は真冬の生まれだと明かした。「2歳で赤王府に入った。でも正室が陰の時に生まれた者は不吉だと嫌い、真夏の生まれとされたの」 やはり朱顔は災いの娘。重明は言う。至陰の時、至陽の赤地で生まれた。間違いない。こやつが災いの娘だ。本当に殺さぬ気か? 朱顔は長明草に火をともすと言って、法術で塚の前の草に火をつけた。「前にこの術で弔いの火をともしたのは5年も前のことよ」「誰の弔いだ?」と聞く時影。「俗世を離れた神官様だから話すわね。私が弔ったのは一度会ったきりのかた」「それなら、なぜ弔いを?」「皆が人殺しの極悪人と言ったけど、私だけは知ってる。国を守るため法術を学ぶ人が悪人のはずがない」「だから一度会ったきりの者を弔った?皆が罵っても、ただ1人その者を信じた?もし本人が知れば、きっと感謝するはずだ」「きっともう知ってるわ」と朱顔は空を見上げた。「私の涙が燃える雪寒薇に落ち、舞い上がった火花が眉間に当たった。でもやけどもしなかったの。それがその方の返事だと思った」 重明は「赤族の術は陽、少女の涙は陰。大司命の予言と一致する。やれ!」と時影にささやいた。悩む時影。何も知らずに時影を見つめる朱顔。 「どうしてそんな目で私を見るの?」 「わしが手を下す!」と言うなり、重明は襲いかかったが、時影は立ち塞がり「手は出させぬ」と。 襲われたとは気づかない朱顔。山の中で吹く風のせいだと言う時影。何か言おうとする重明の口は禁言術で塞いだ。そして郡主を無事に山の上に送り届けてくれと無理強い。万一のことが起きないようにと釘を刺す時影。 朱顔は時影が記憶を消そうとするのを止めた。 「その手印は見たことがある。前に帝王谷に来たのに何も思い出せない。あなたにも会った。私の記憶を消したのね?」 「私の存在は誰にも知られたくない。私がここにいることも」 「今度も記憶を消すの?」 「すまぬ」 「消さないで。もう友達でしょ?やめて!」 術は効かなかったらしい。朱顔はもう記憶を消したのかと時影に尋ねた。あとで効き目が出るの?」 朱顔にそう言われて戸惑う時影。目覚めたら願いをひとつだけ聞く約束をまだ果たしていない。だから記憶を消せぬのだ。 朱顔はここに来たことは内緒にすると誓った。だから記憶を消さないで。 時影は願いは何か?と尋ねた。「私の願いは…」 朱顔は母上を失ったばかりのこの神官に、いきなり弟子にしてくれとは言えないと思った。卯の刻の鐘が鳴った。「帰らないと父上に気づかれる。お願いは次に会ったときに話す。大丈夫、ここのことは言わないわ。死んでも話さない」 「分かった。信じよう。だが帝王谷は禁足地だ。立ち入れば死ぬ。来てはならん」 仕方なく去っていく朱顔。 時影は思った。あの日、花をやっただけなのに、私を思ってくれた。私を弔ったその真心が私を縛る呪いとなった。谷に立ち入り予言を発動させたが、心の魔を断ち切ってくれた。2人の運命は絡み合った。そなたに殺されるとしても、私はそなたに恩がある。 朱顔を送り届けて戻ってきた重明は、具合が悪そうな時影にぶどうみたいな実を食べさせた。 「あの女を九嶷山の山頂から投げ落とした。その魂魄(こんぱく)を集めて作ったのがその実の毒だ。その名を断魂という。食った途端に死なずとも、数年後にあの者に刺し殺される」 「魂魄になった者が数年後、私を差し殺せるか?」 「命取りと知りながら、なぜ帰した?わしの力まで封じて。飛行はできたから、霊力を回復する赤果を採ってきてやった。でないと大司命に知られる」 時影は重明にかけた術を解いた。我を忘れた自分を思い出し、重明に「私にどうしろと?殺せと言うのか?昔、ただ1人危険をおかし私を弔い、いままた魔道から救ってくれたおなごを?」と聞いた。母の遺言を読み、「予言より徳を積むことが重要だ。私は殺さない。だが安心してくれ。自分の命を粗末にはしない。母の言いつけどおり、一日も早く大成し、法術で天下の民を守るのだ」と話す時影。 時影は、記憶を消さなかったのは願いを聞く約束をしたからだと言った。「だから記憶が消せない。だがあの娘はまだ幼ない。二度と会わなければ私のことはすぐ忘れる」 「本当に忘れるか?5年経っても時影世子を覚えていた」 「5年経っても忘れぬとは、誠に奇特だ。私もあの娘に感謝してる。だが割り切った。あの娘が訪ねてきても二度と会わぬ」 「それがいい。だが記憶は消すべきだ。大司命が知れば許さない。あの娘のためだ。それであの娘の願いも叶う。何が願いかは分かる」 「本当か?」 「何度もわしの羽を褒めた。望みはもちろん、わしの羽だ。あの娘はおしゃべりだが、なかなか品がよい」 重明の勘違い。時影は思わず咳き込んだ。 目覚めた朱顔は長明の羽を見つけ感激した。大変貴重な長明の羽。朱顔は神官が贈ってくれたと勘違い。赤淵にふみを書くことにした。羽のお礼に返礼品を用意させる。弟子入りの品でもあるから特別なものを。 雪鶯は望星使に選ばれるのは難しいと思って泣いていた。侍女は止めたが、朱顔は羽を雪鶯に贈ることにした。これで舞衣をかざればどんな首飾りにも負けない。雪鶯はそんな貴重なものをと断るが、朱顔は私からもらったことは内緒にすればいいと言って、羽を譲ったのだった。 九嶷山に時雨が着いたが、旅の疲れで謁見は中止。 白王は雪鷺をひいきした。雪鷺は望星使の座は諦めるようにと言って雪鶯を牽制。 時影に会った大司命は、心魔にとらわれ復讐を決意するように時影を唆したのに、平静なのをいぶかる。まさか何者かか正気に戻したのか? 大司命は時影に、母上の塚にお参りしてきたと告げた。それを聞いた時影は… 第5話。 大司命は「白嫣は墓石に名を刻むことも許されぬ。必ず名誉を回復してやれ」と言った。時影は「私は既に過ちをおかしました。もう母上の命には逆らえません。今は修行に打ち込みたいと考えています。嘉蘭に戻りません」と告げた。 「愚か者!」と大司命は怒った。「言ったはずだ。その言葉はお前の安全を考えてのこと。お前も母を第一に考えてやるべきだ!自害した白嫣のため、なぜ戦ってやれぬ?」 「師匠、恨みに支配されれば、私は化け物になり、母の期待を裏切ります。決心しました。どうかご理解ください」 大司命はいったんは引き下がった。「この谷で暮らすと視野が狭くなる」と諦めた様子。時影は病にかかった大典の記録官の代わりを務めることを命じられた。「山ではお前が最も文才がある。明日、蔵書閣の水鏡で大典を見届け、内容を記録してくれ。気晴らしにもなる。弟君の顔も見られる。今回の大典には弟君が帝君の名代で来る」 重明は記録係の話を聞くと、仮病で断ればいいと言った。赤族の郡主も来るぞ。時影はやらないと大司命に疑われると言った。「郡主は正殿にいる。大丈夫だ。会わぬと決めた以上、心は揺れぬ」 重明は羽を渡したからあの娘の願いは叶ったと思っていた。「また出くわしたら徹底的に記憶を消せ。さもなくば危険だ。大典の記録だと?数百人の神官が居るのに、よりによってなぜお前を?」 「私と時雨は兄弟仲がよかった。5年ぶりに遠くから見るだけでも安心する」 雪鶯はクヨクヨ考えながら山を歩いている時に、渓流で演説の練習をしている若者に出会った。2人は同じ冊子を持っていたことから親しくなる。堂々と話せるようになる指南書。若者は山の民だと名乗った。心のよりどころがあれば楽になれると言う雪鶯。若者は雪鶯によりどころになってほしいと頼んだ。励まし合おう。弱虫同盟。それより夜行同盟は?と提案した雪鶯は、自分が夜を旅する人に思えると言った。いつか夜が明けたらいいなと。2人は意気投合して勇気を出すと誓った。雪鶯は、いじめられるのは他の人が悪いのではなく、自分が譲ってしまうだけだと明かした。若者は主張できるよう自分を信じてと励ました。 望星殿で舞を披露する雪鷺。望星使に決まりそう。しかし雪鶯は新しい舞衣を作ったと言って、舞を見てもらおうとする。母が残した重明の羽だと説明して。望星使を決めるのは時雨殿下にお願いすることになった。邪魔な雪鶯が鬱陶しい雪鷺。 赤淵は朱顔の頼みで返礼にふさわしい珍品を探しに鮫人市場に来た。一軒の生地屋で女将は碧落海の鮫綃を見せた。明月綃といって中でも上等な品です。キラキラした布を気に入った赤淵。そこに現れたのは海国軍の嫌がらせする奴ら。龍神も海皇も長年現れず、奴らは軍事費を使い果たすと金品をゆするとヒソヒソ話す市の人たち。赤淵は顔をフードで隠した。乱暴な奴らに、赤淵の鮫綃も取り上げられてしまった。女将は返してほしいと涙の訴え。鮫族への貢献だと言って聞く耳持たずの奴ら。赤淵は女将を慰め、布代を渡した。この金珠で買い戻せるはずと言ったが。女将は受け取れないと。赤淵が鮫綃の輝きを見せてもらったお礼だと言うと、女将はお礼にしまってあった物を渡した。 雪鶯は、現れた時雨を見て、山の民と言ってた若者だったので驚いた。時雨はしきたりどおり望星使は嫡女の雪鶯にすると決め、雪鶯を無視して、雪鷺に庶子を見下すわけではなく、そなたなら他に機会があると話しかけた。無視されて悲しい雪鶯。時雨は美しく華やかな印象の雪鷺がお気に召したのか?地味な雪鶯は悲しかった。 蔵書閣から大典を見守る時影。いよいよ時雨が名代として天子の辞を述べる時がきた。大司命はこれを時影に見せて妬ましく思うと期待。時雨は最初はあがって危なっかしいかったが、立派に演説することができた。それも雪鶯の言葉のおかげ。時影は弟がやり遂げると信じていた。時影の心に妬みや恨みはなかった。 舞の時間。雪鶯は重明の羽の舞衣で美しく舞った。雪鷺や朱顔たちも一緒に舞う。重明は朱顔が羽を他人に渡したと知り憤慨。大司命は「なぜ重明の羽が?時影がかばっている娘は白雪鶯なのか?時影の心の闇を払ったのも?」と疑う。時影はこれで大司命に疑われると顔色を変えた。霊力が弱っているが、時影は玉骨を手に舞の行われている山上へ飛び、花びらの形になって朱顔の肩に止まって話しかけた。 「朱顔、なんとか望星使に近づけ。言うとおりにするのだ。重明の羽を一本折って」 朱顔は踊りながらなんとか近づこうとするが。ぶつかったはずみで時影の花びらが宙に舞った。突然、姿を現した時影がよろけた朱顔の手をつかんだ。時影の姿は他の人には見えず、2人だけの舞のあと、時影は朱顔に羽を折らせることに成功した。戻った時影はフラフラ。 大司命をごまかせるか? 朱顔は疫病神。でも願いは羽ではない。記憶は消せない。 時雨は想い人が雪鶯だと気づかれぬよう、わざと雪鷺に声をかけ舞を褒めた。そうとは知らず雪鶯はショック。 大司命は雪鶯の羽を調べに行った。雪鶯は亡くなった母が残してくれた物だと答えた。「重明の羽は皇宮に供された貴重な品だ。それがなぜそなたの母の手に?」雪鶯は朱顔に口止めされていたので、分からないと答えた。大司命は「誰かから贈られたものか?」と聞く。雪鶯は確かに母の物だと言うだけ。大司命は、かつて重明の羽が折れ回収できずに民間に落ちたことがあったと記憶してきた。それが白王妃の手に?私の思い過ごしか? 大司命は去り、朱顔は約束を破って時影は怒っていると思った。時雨は雪鷺には豪華な褒美を、雪鶯には絹の花だけを贈った。朱顔は再び崖を下り、帝王谷に入った。そして現れた重明に羽を譲ったことを詫びに来たと話した。神官に会わせてほしいと言われ、重明は朱顔を追い払おうとしたが。予想通りこの娘はしつこい。殺さねば解決できない。でも時影が来て重明はまた失敗。朱顔は謝りに来たと言い、くじいた右足首を痛がる。痛めたのは左足では?と見抜いていた時影。周顔は雪鶯に羽を贈った理由を話して謝った。決着をつけようと言う時影。願いを言え。私が叶えてやる。 朱顔の願いは時影に弟子入りすること。時影は元神を元に戻す法術を学びたいのかと聞いた。 「そんな法術を学びたがるところが浅はかだ」と言う時影。「六部の子弟と同じ。男子は名利のために法術を学び、おなごはよい嫁ぎ先を探すために身につける。そのような弟子はとらぬ。諦めてくれ」 朱顔は名利も嫁ぎ先も興味ないと言った。 「助けたいの。前に話した、無実の罪で死んだあの方を。法術を学んで生き返らせたい。でも大司命までそんな法術はないと言った。だから、あなたなら教えてくれるのではないかと。これは本心です」 「生き返らせる?」 「はい。傷ついた私を回復してくれた。だからきっとできる」 時影も、この世にそんな法術はないと周顔の願いを拒否した。 「人を助けても人生の無駄だ。誰も救う価値などない」 「いいえ。その方は価値がある」 恨みがましい目で時影を見つめる朱顔。 「その願いは無理だ。他のことを言え」 「願いはそれひとつきりです。他にはありません」 「ならば、これを贈ろう。二度とここに来るな」 時影は手巾を差し出したが、朱顔が受け取らないのでそのまま落として立ち去った。泣きながら拾う朱顔。 「きつい言葉で断ったゆえ、もう来ないはず」と時影。重明は感動して泣いていた。「胸を打たれたが、運命とは残酷だ。なぜあの娘なのか」 時影はやれやれと首を振って去った。重明は泣きながら、もう一度探って、娘が諦めきれぬなら始末した後、手厚く葬ってやろうと決意した。 時雨は密かに雪鶯に会い、手彫りの小鳥を贈った。冷たくしたのは君を守るため。我らの婚姻に母と伯父(青王)は反対だ。私たちの仲を邪魔される。我らの仲は秘密にせねばならぬが、あの盟約は永遠に心にある。 小鳥には『雪と鶯のごとく盟約 心にあり』と書かれていた。雪鶯は時雨の真心に笑顔になった。 しかし、物陰から2人を見つめる雪鷺は… 第6話。 雪鷺は雪鶯が時雨を誘惑していたと侍女に打ち明けた。青王の目をはばかり、想いを隠すため、雪鷺を隠利用した。利用する気なら思い知らせてやる。雪鷺は耳飾りをつけ、母に「私は誰にも負けない」と誓う。 雪鷺の母の形見らしき耳飾り。 落ち込んでいる朱顔に、雪鶯は恋バナ。時雨殿下に一目惚れ。白家の嫡女と殿下なんて良縁だと言う朱顔。雪鶯は、時雨が家同士の利害が絡むからこそ2人の仲を公表できないと言っていると話した。兄さえ存命なら私も気楽な親王ゆえ、こんな思いはしないのにと、殿下は仰せだ。世子が存命ならよかったと、朱顔もしみじみ思う。本当になんの方法もないのかしら?と世子を思って泣く朱顔。 そんな2人の様子を覗き見してる重明は、また感動していた。諦めが悪すぎる。お前の執着のせいで、わしは追い詰められている。一度だけの縁を忘れぬ者なら、今後も時影につきまとうだろう。このままでは、時影の命はお前に断たれる。 朱顔が雪鶯を見送って部屋に戻ると、いつの間にか重明が来ていた。 「元神を元に戻す方法を本当に学びたいか?」 「どんな犠牲を払っても学びたい」 「よかろう。神官からことづてだ。亥の刻に星尊帝の陵墓に行き、七星灯を入手しろ。灯し続ければ死者が生き返る七星灯は、術を学ぶ助けとなるものだ。入手して神官に誠意を示せ」 「なぜ神官様は急に?」 「質問が多すぎる!一度拒まれたくらいで諦めるのなら、この話はなかったことに」 「行くわ!」 「陰陽の隔ては超えがたい。元神を元に戻すのは至高の秘術だ。七星灯を得るには死ぬこともあるゆえ、神官は言わなかったのだ。覚悟して臨め!」 「手に入れるわ!」 「失敗すれば良い術を学ぶ資質がない証しだ。二度と神官に会うな」 「絶対手に入れる!」 夜。雪鷺は雪鶯から木彫りの小鳥を取り上げる。贈った男が何者か調べると言い、雪鷺は雪鶯を六王の前に引き出す。問い詰められても雪鶯は相手が誰か答えない。 その頃、朱顔は帝王谷の星尊帝陵墓に行き、七星灯を握りしめていた。岩の手のようなものがしっかりつかんでいる七星灯。朱顔が必死で願うと指が動き始める。 重明はこれで朱顔が始末できると思っていた。そして時影には薬湯を飲ませようとしたが。怪しむ時影。急に吹き始めた風で、時影は星尊帝の墓に異変が起きたと察した。獣の仕業だとごまかす重明。時影は先回りして陵墓に向かった。 朱顔は光の蝶々に囲まれ幻覚を見ていた。坤元宮にいて、これから燃えてしまうことを世子に教えたい。時影が着いた時、朱顔は朦朧となりながら必死に太子に「逃げて」と呼びかけていた。「そなたは生きよ」と太子は言った。時影は「手を離せ。生きるのだ」と言った。幻覚の中で、朱顔は今度こそ必ず太子を救うと言って火を消そうとしたが、太子の衣に火が! 七星灯を握っている岩の手が少しづつ指を開いていった。時影は朱顔の霊力が尽きてこのままでは死んでしまうと思い、光の蝶々を追い払った。重明のしわざだと見抜いた時影。朱顔はついに七星灯を取ることができた。 「わしの苦労を無にして、なぜ助けた?」 「重明、お前が私を思う気持ちは分かる。だが、このことは自分で片をつける。あの娘が抱く念は、私が断ち切る」 朱顔はよろよろと七星灯を運び、時影の居所にたどり着いた。時影は生き返りの法術はないと諭した。「存在するなら、なぜ帝王谷がある?帝王なら誰でも永遠の命を望むが、最も霊力の強い星尊帝でもすでに塵と化したのだ。それなのに、そなたはたった一度会った者のために、命を懸けようとする。そなたは火に飛び込む虫と同じだ」と言って、時影は法術で灯に飛び込んで消える蝶を見せた。 「では、なぜ私に七星灯を得よと指示したの?」 「そなたが諦めず私につきまとうからだ。難題を与えれば逃げ出すと思ったが、そなたは身の程知らず。無謀なことをした」 「だましたの?」 「そなたがいかに愚昧で軽率かよく分かった。私が最も忌み嫌う者だ。そのような者が私の弟子に?まるで笑い話だ」 「つきまとってないし、再び来る気もなかった。だけど重明が私に…危険は承知だったけど、あなたは友だから信じたの」 「友だと?なぜ急に現れた者を友と呼ばねばならない?私を助けたゆえ友になれたとでも?霊力ならおぎなった。もう借りはない」 そう告げる時影の冷たい瞳。朱顔は泣いた。 「そうよ。貸し借りはない」 「私につきまとうなら、よそへ移る。嘘ではない」 「二度と来ないわ!死んでも来ない!」 恨みのこもった目で、朱顔は言い放った。そして時影に背を向け、歩み去った。時影は消した蝶を再び出すと、朱顔について行かせた。 「私などの為に己を粗末にするな」 雪鶯は追い詰められていた。相手の男を明かさない雪鶯。時雨は自分が贈った木彫りの小鳥が、雪鶯の名節を汚したと知った。雪鷺は木彫りは九嶷山にしかない古木に彫られていると言い、大司命は神官と神僕の筆跡と、六王と共に山に来た従者の筆跡も調べさせた。 小鳥の背に書かれた文字と、皆が書いた同じ文面が照合された。該当者なし。助かったと思った時雨だが。 青王は帝王谷にこもり修行する神官がいると。その者の字は?大司命はその言葉で、氷族と通じているのは青王だと察した。大司命はその神官を呼ぶと言った。 戻ってきた朱顔は侍女から雪鶯の受難を聞いた。雪鶯をなじる青王。ふしだらだとヒソヒソする娘たち。朱顔は入ってくるなり「さすがは白家の嫡女ね!」と。 「いくら罵られても相手を守ろうとする。でも相手はあなたに釣り合わない」と朱顔は時雨をにらみながら言った。「その人は口では愛を誓いながら、身を挺して愛する者をかばおうともしない。愛の誓いなど撤回すべきよ!」 朱顔はひざまずいていた雪鶯を立たせた。「一緒に天極風城に帰ろう。卑怯者は忘れ、私と暮らすの。互いに独り身で生きていこう」 朱顔にかかえられて立ち去る雪鶯の背に向かって、時雨は叫んだ。 「私だ!」 殿下が!と一同びっくり。時雨は雪鶯の手を取り、皆に木彫りは自分が彫ったものだと告げた。 「郡主を恋い慕うのは私だ。君を守るため、隠し通そうと思ったが、今よく分かった。愛する者さえ守れぬ皇子など平凡な民にも及ばない。白雪鶯を想っていると堂々と言おう」 時雨にとって伯父にあたる青王は怒り出した。でも白王はふしだらと叱った雪鶯が、実は時雨の想い人だと知り手のひら返し。雪鷺は何がしたかったのか?時雨が雪鶯を見捨てると思ったのに目論見がはずれた?それともこうなると予想して、実は妹を応援したかった?よく分からないが、妹に恥をかかせた悪女と見なされることに。 そこに知らせが。「帝王谷の神官はよそへ転居しました」 朱顔はあの神官が、自分に会いたくなくて本当に引っ越したと知り、青ざめた。私のことをそこまで馬鹿にするなんて。失神した朱顔。父の赤王は娘を連れ出した。 大司命は青王に、謎は解けたゆえ、くだんの神官の召喚は不要だと告げた。青王も引き下がるしかなかった。 大司命は白王に「あまり急いで嫁がせる必要はない」と言った。「時雨殿下が帝位に就くとは限らない」と。白王は「どういう意味だ?」と聞いた。 「青王が急に神官の話を持ち出したのは奇妙では?かの方が再び現れれば、あなたは二度と青王に膝を屈することはない」 「もしかして…」白嫣の子の時影が生きてる? でも大司命は答えず。 氷族のフカンは「后土が九嶷山に無ければ手がかりはないのでは?」と聞いた。智者は「指輪が世に現れるのは、帝王の血が危機に瀕した時だ。時はたっぷりある」と笑った。「帝王の血?」「帝王の血の居場所を青王はすでに勘づいたらしい。ならば青王を大いに働かせよう」と、ダースベイダーのような姿と声で智者は告げた。 赤王府に戻った朱顔は何も食べなくなっていた。赤王妃も侍女も心配する。赤淵も心配し、様子を見に部屋に入った。元気のない朱顔。赤淵は無理に食べさせたり、聞き出そうとせず、朱顔に寄り添った。 朱顔は刺繍を手に持ったまま泣いた。 「この世に元神を戻す術はない。何もかも私の願望に過ぎなかった。二度と世子殿下に会えない。命を救うことはできないの」 その刺繍はどう見ても時影そっくり。白いかんざしも刺繍してある。布はあの時の手巾? 赤淵は涙を拭う手巾を渡すと、こう言った。 「往者を追うより、来者を待つべきです。お嬢様の心はきっと亡き世子殿下に届いています。それにお嬢様の修練はますます進み、見識も広がっています。今は不可能でも、今後、可能になることもある」 「修練?でもあの人は私に素質がないと言った」 「あの人とは?」 朱顔の涙が刺繍に落ちた。 「その刺繍は?」 朱顔は自分がいつのまにか時影を刺繍してたことに、やっと気づいた。なぜあの人の顔を? 赤淵は、食欲がないなら炎風楼の呉さんに謝ってくるといった。お嬢様が山にいる間、新しい料理を考案していました。あなた以外の人に食べさせないはず。西荒の気候は食材の保存に向きません。いま行かなければ、新鮮な魚介は捨てるしかない。 それは商いに差し障ると言う朱顔。すでに食べる気持ちに。赤淵は呉さんの伝言で「美食を究めても知己を欠けばむなしい」だと。 2人は砂っぽい町に出かけた。朱顔が興味を持った飾りを買う赤淵。 「子供のものよ」「昔、お好きでした。当時、私が紛失した償いです」 赤淵の心遣いで、朱顔は元気になった。お礼を言う朱顔に肩に触れられ、嬉しそうな赤淵。2人は炎風楼で砂の中で蒸したお魚のご馳走を食べた。えびや蟹の汁物のご馳走はブイヤベース的な?説明する男が呉さん? 朱顔は赤淵に相談した。 「軽率だからおまえは修練に向かないと、人に言われた。本当にそうだと思う?」 「さっきの薩朗鷹(さつろうよう)が答えを示していました」 町で鷹が飛び去るのを見たとき「また捕まらないように遠くまで飛んでほしい」と朱顔は言った。赤淵は「物事は意のままにはなりません。薩朗鷹の価値を決めるのはあの鳥自身です。高く飛べば己の価値を証明できる」と教えたのだ。 朱顔は酒を飲み干した。 「あの人と友になれたらと思っていたら、法術を教えないどころか私を罵ったのよ。つきまとう気はないのに恐れて転居したわ」 「蛇やサソリを恐れるように?」 「とにかく、この朱顔は天極風城では、誰からも好かれているのよ。なぜあの人は疫病神みたいに嫌うの?」 「その人とは会ったことはないが、忠告しても?お嬢様は誰に対しても情け深い心を持ち、それを惜しみなく相手に注ぎますが、心に響かぬ者もいる。なぜ初めて会った者に、それほど情けをかけるのです?しかも相手は世俗を離れた者。その者は悪くない。もちろん、あなたも」 「あなたは何でも分かるのね」 「長く生きたからお嬢様より分かります」 朱顔は「自分はまだ十代だけど、すでに世の悲哀を感じる。あなたは長く生きて涙を流すような経験をした?」と尋ねた。 「いいえ」 「200年以上も泣いてないの!」 赤淵は微笑んだ。 朱顔は「だったら約束して。私が悲しい時は必ず打ち明けるから、あなたも私に話して。泣きたいときは私に教えてほしい。約束よ」 「はい」 2人は指切りげんまんした。 時影は母の衣冠塚にお参りしていた。 「母上は毎年、私の生誕日になると雪薇糕を手作りしてくれました。私も作ってみましたが、どうしても母上と同じ味になりません。母上、お会いしたい。もう一度。手料理を味わいたい」 第7話。 赤淵は朱顔に市場の女将から貰った明月綃という鮫人の至宝を渡した。朱顔は布の輝きを賞賛し「あの人への別れの品に相応しい」と言った。「この世に元神を元に戻す術はなくても、法術の修練は続ける。天下をさすらい、大事な人を守る!」と決意した朱顔。 朱顔に大事な人を「たとえば、赤淵とか」と言われ、赤淵は恐縮した。朱顔は私は?と聞く侍女にも「玉緋もよ」と言い、明月綃を九嶷山に送るよう頼んだ。 嘉蘭皇城 青雲宮で話す青王と皇妃 青雲。 青王は九嶷山であったおかしな出来事の話をした。大司命は青王が知らない若い神官をかばい、諸王の前で青王に恥をかかせた。どうも怪しい。 「噂では大司命は若かりし頃、白嫣に惚れていたらしい。白嫣が北冕帝に嫁がねば、大司命も隠遁などしなかった。大司命が本気で救おうとしたならば、時影の死は虚構だ。その可能性はなきにしもあらず」 「時影が生きているとすれば、帝を欺く大罪だわ」 青王は帝が『あのこと』を疑っているかもしれないと思った。それが青王が氷族と手を組む原因だ。 「時影の生存を帝に知られてはならぬ。時雨のために愁いを除くのだ」 青雲は時雨はまだ未熟で、大司命の話のことを考えると、事は簡単に運ばないと言った。青王も今はまだ時期を待った方がよさそうだと同意。まずは六族を味方につけようと考えた。赤王だけは油断してはならぬ。今に至るも保身を考えている。痛い目に遭わせねば。 雪鷺は籠の小鳥をぼんやり見ながら、たそがれていた。父の白王から時雨殿下が雪鶯を望むならそれに従うと言われた。雪鷺が面倒を起こすなら母親と同じ目に遭うぞと叱られた。 雪鷺は新茶の誘いで青妃青雲から呼び出された。青雲は時雨に嫁ぎたい雪鷺をスパイにするつもり。帝王谷のことを聞かれ、雪鷺は入る前に気絶したが、思うに谷には俗人の立ち入りを嫌う方がいるのかもと話した。褒美に耳飾りをもらった雪鷺だが、つけようとはしない。侍女は雪鶯の座を奪ったらどうかとそそのかす。雪鷺は青妃が自分を利用したいだけと見抜いていた。 「でも私も確かめてみたい。帝王谷の神官は皆の注目の的。私は奇妙にも気を失い、大司命は神官について言葉を濁した。青妃も気にしている。こんなに注目を浴びるのはあの神官ひとり。私には後ろ盾がない。私の恨みを買っても恐れる事はない。誰もが私を利用し、踏みにじる。その神官が何者であろうと、全てをかけて近づき、切り札を手に入れる。誰にも侮らせぬ」 そう言うと、雪鷺は青妃に貰った耳飾りを小箱にしまった。 赤王は王妃に背中の打撲の手当てをしてもらっていた。戦もないのになぜ負傷を?と朱顔も心配する。赤王は陛下の命で、青罡(せいこう)の影武士(えいぶし)と演習をさせられたと話す。青罡は六部で一番の若武者だ。奴の影武士はみな一騎打ちの手練れ。おいぼれの私では手も足も出ない。王妃がもしや青王が…と案ずるを咳払いでさえぎる赤王。朱顔は青王がどうしたの?と聞くが父はごまかす。朱顔は青罡は人を敬わないし寸止めもしないとプンプン怒る。赤王は戦場なら全力で戦うものだと言って諭し、薬を塗られて痛がる。 大司命は白嫣の絵姿を見ながら、今日で時影は18歳になったとしみじみしていた。もう災いの娘を恐れる必要はない。まもなく弟子も取れる身だ。修練が大成したならば、再び俗世に姿を現し、母親の名誉を取り戻す。 時影は大司命から18歳の誕生日がきて予言は無効になったと言われる。そして成人の祝儀として少司命に昇格。「日を選び、正式に元服させ印を授けよう」と告げる大司命。「さすればお前は九嶷山の少司命だ」 時影は「私は修行も浅く人を指導できない」と言った。「他の司命のほうが少司命にふさわしい」 それでも大司命は時影の努力と実力を認め、少司命に任命。時影も今度は拝命した。 「6年ぶりのお前の出現は皆を驚かす。少司命が弟子を取る旨、六部には通達した。六部の子弟は男女を問わず選抜に参加できる。選抜に通れば弟子見習いとなり、お前について山でひと月修行する。最も優秀な弟子はお前の一番弟子となる。お前の元に長く留め、お前が教育する」 「男女を問わず?以前、神官が広く弟子を募った事はなく、女弟子も前例がありません」 「掟は人が作ったもの。変更は可能だ。修練の道は皆に開かれるべきだ。男女の別にこだわるでない。これは各族を籠絡するよい機会となる。六部から選抜された者が皆お前を師と仰ぐのだ。いつかお前が俗世で大事を成す時に、弟子たちがお前の助けとなる」 「私は修練に励み、神に仕えてきました。争いには興味ありません」 「いま、空桑は太平の世を楽しんでいるが、六部の子弟は贅沢にかまけ弱体化している。お前が優秀な人材を育てれば国のためにもなる」 大司命は山中に新たな住みかを用意したと言った。 「今後は清修殿で修練するがよい」 「時影は嘉蘭に戻って帝になり、しきたりどおりに白族の娘を后にする。こたびは白家の娘を一番弟子とせねばならん」 大司命は白嫣の絵姿にこんなことを誓った。 誕生日の引っ越しをぼやく重明。運び込まれる大量の書。弟子を募ればあの娘もやってくる。それが気がかり。重明からの誕生祝いの品は1万年前、夢華の頂で雷に打たれた神木。身につければ魔を避けることができる。そう言われても焦げた丸太のような神木は携帯に不向き。時影は屋根に置けば清修殿を守ってくれると言った。時影が神木を気に入らなかったので、重明は別の贈り物を取り出した。それは朱顔が贈った明月綃と、紛れ込んだ時影の顔の刺繍だった。 「これは何だ?」と刺繍を手に取る時影。重明は慌てて取り上げるが。見せろと言われて、重明は「あの娘が?」とつい言ってしまう。 「あの娘?お前の贈り物、気に入ったよ。ありがとう。だがこの刺繍は、いただけん。燃やそう」そう言うと時影は刺繍を火にくべた。 青王は弟子を取るという少司命が18歳で年齢が一致すると青雲に言った。帝王谷に隠れていた神官こそ時影では? 青雲は青族一の手練れを送って始末したいと言った。神官が本当に時影なのか確かめる必要があり、弟子候補に紛れ探らせる。青族傍系の青罡を青王も気に入ったでしょ?と聞く青雲。 青王も同じ意見。もしもの時には、例の物を使わねばなるまい。青族が使う毒の中でも最凶。天下の至毒『鵲踏枝(じゃくとうし)』だ。 白王は雪鷺と雪鶯を弟子選抜に行かせることにした。大司命の招きは断れない。雪鶯には、弟子入りを争う必要はなく、ひと月に嘉蘭に一緒に行って時雨殿下に会わせると話す。雪鷺は妹を守ると言った。雪鷺に対して冷たい白王。2人には山で頭角を表そうとせず、見聞を広げるだけでいいと言い含めた。雪鷺はその神官こそ帝王谷にいた方だと思った。私がモノにすれば大司命や青妃と渡り合う切り札になると思う雪鷺。 朱顔も両親から選抜に参加するよう勧められる。九嶷山と聞いてためらう朱顔。 赤淵は朱顔がためらうのは、誰かに会うのを恐れているからだと分かっていた。 「九嶷山といえば私を否定した人を思い出す。そんな場所に戻れると?」 「その人が山のあるじですか?師と仰ぐ人は少司命です」 「あの人に会えば嫌なことを言われる」 「少司命に認められれば、他人は関係ない。少司命の弟子となれば、その人も見返せる。ほら。あの薩朗鷹も新天地を見つけました」 朱顔は自由にしてあげた鷹が空を舞うのを見て嬉しかった。 「そう。私は絳珠飛焔(こうしゅひえん)、大空を羽ばたく鷹。全力を出せば、ひと月も経たぬ間に一番弟子は間違いなしよ!」(絳は赤という意味) 「力を尽くせばいい」とニコニコする赤淵。 朱顔は「大昔の高祖母 赤珠飛麗(せきしゅひれい)は六部に名を馳せた女英雄でしょ?」 すると赤淵は朱顔に背を向けてしまった。 「赤淵は知らない?」と聞く朱顔。 赤淵の脳裏に浮かぶ過去の記憶。戦場で刺された赤い衣のおなごに「曜儀、大丈夫か?」と駆け寄る赤淵。 「逃げよう」と言ったが。 「無駄よ。あなたは逃げて」 「君なしでは、私1人で生きていけない」 そう言って自害しようとした赤淵を止める曜儀。 「空桑人は生まれ変われる。私を待っていて」 曜儀は額の飾りを外して赤淵に渡した。 「来世では、これが目印になる。私の代わりに一族の人々を守りながら、私を待っていて」 「分かった。生まれ変わりを待つ」 「私と再会するまで、淵…私のことは忘れて」 赤淵の記憶を消して絶命した曜儀。 鮫人の伴侶は1人のみ。だが愛した人の顔も思い出せぬ。いつか再び巡り会うまでは… 「私は…思い出せません」 「200年も経ったんだもの。赤淵も忘れるはずよね。いつか私が死んでも、私の姿は忘れないで」 選抜のために再び山に行った朱顔は雪鶯と再会。時雨とは会う機会が無いという雪鶯。でも父が嘉蘭の中秋宴に連れて行ってくれる。その時はきっと一目会えるわ。 朱顔は雪鶯には少司命の一番弟子になりたいという気持ちがないと分かった。雪鶯は「でも2人とも選抜に残ったら、一緒に修行でき、きっと収穫があるはず。それから2人で下山するの」と言う。 朱顔は一番弟子に選ばれる気満々。雪鶯は強力な競争相手がたくさんいて朱顔が選ばれるかは難しいかも?それに姉の雪鷺も今回の選抜に御執心だと話した。 「法術も幼い頃から修練して兄とも互角。今回は青罡も来るから、姉の勝算は高くはないわ。影武士の首領がなぜ弟子入りを望むのかしら?青罡がその気になれば、首席の座は確実だわ」 朱顔は青罡という傲慢な男に会うのが楽しみになった。会ってみたい人と、会いたくない人。朱顔は会いたくないあの人にもし会ったら…と想像した。 入浴していた時影は、重明がやってきたので目隠しを発動。重明にあの朱顔が選抜に来ていたらどうすると聞かれ、時影は朱顔は法力が弱く選抜を通過しても首席にはなれないと言った。心配は要らぬ。 重明は朱顔が選抜に通ったら、山でひと月修練すると言う。あれは災いの女だ。時影が関心ないようなので、またしても何かやらかしそうな重明。 六部の子弟たちは贈り物を持って集まっていた。少司命への供物は入山前に神僕に渡すのでは?と聞く朱顔。贈り物を渡す相手は青罡将軍だと言われびっくり。今回の選抜は2人1組で、将軍と組めば勝ったも同然だと皆は考えていた。組んでもらうため贈り物を。雪鷺は世話しなきゃいけないから雪鶯と組むと言う。そして贈り物では将軍はなびかないと忠告。情に流される男じゃない。 突然、皆の持っていた贈り物が消え去った。堂々と現れた青罡は「不正は許されぬ。九嶷山は清浄の地。乱してはならん」ときっぱり。「贈り物は神僕に渡し、周辺の民に分配を」 雪鷺は最大の好敵手 青罡のことをしっかり調査済み。青罡の参加目的を探りたい雪鷺。父を痛めつけた青罡が憎い朱顔は、選抜が終わったら青罡と勝負することにした。いま戦えば選抜の資格を失う。朱顔を利用して青罡を排除したい雪鷺の挑発には乗らない。雪鷺は青罡に、私がそんな女に見えます?と聞くが。 白い衣で身支度を整えた時影が子弟たちの前に現れた。朱顔はあの神官が少司命!と驚く。 任命の儀。時影は誓いを立てた。 「一生楽しまず、妻を娶らず、俗世に還らず、皇冠を戴かず、生涯 神に仕える」 儀式が終わり、時影は選抜を開始を告げ、法術を学ぶ意義を説く。 「法術を学ぶはなぜか。神の徳に通じ、万物のため志を立て、四時の道にならい、民の苦難を救う。その心なくば我が門に入るなかれ」 皆はその言葉を繰り返したが、朱顔は復唱しなかった。 時影は選抜方法を告げた。2人1組となり、栄誉も損失も共にする。1人がしくじれば、両人ともに失格。 朱顔は、少司命に従う気はなかった。参加しないから下山させてと言い放つと、止めはせぬと時影は答えた。雪鷺はどうせ参加しても一番弟子には残れないと嫌味。 時影は第一段階の選抜は『智』だと言った。智を働かせ、山中の危機に対処せよ。千月峰の頂に達した者はひと月の修練を許す。第二段階の『賢』で一番弟子を選出する。 時影は術で白いかんざしを出した。 これは私の法器だ。これを千月峰の頂に隠す。頂に至り、この玉骨を手にした組で優秀な者を、我が九嶷山の一番弟子とする。私は正殿で皆の凱旋を待つ。 玉骨は宙を飛んで消えた。皆は組になって山へ急いだ。残された朱顔は少司命をにらんだ。あの時のあざけりの言葉が忘れられない朱顔。 雪鷺は怖がりな雪鶯にイライラ。でも穴に落ちた雪鶯に助けの手を差し出す優しさも。見捨てられたと思って泣いていたら、太いツタみたいなものが降りてきて助けられた雪鶯。 1人で山に入った朱顔は「あの人が少司命とは。謎めいていたはずだわ」と独り言。失格になるつもりで座って時間を潰していたら、急に巻き起こる風!降り注ぐ小石!落ちた羽で重明の仕業と察した朱顔。 「どうせお前は勝てぬ。恥をかかぬようにしてやるだけだ」 「私は弟子入りは望まない!九嶷山でなくても修練はできる!ここにいたくないの!いっそのこと殺しなさいよ!小石なんてぶつけないで。虎も倒せるんでしょ?」 「わしを恨むなよ」 重明は翼をバサバサさせて朱顔に強風攻撃し、岩を飛ばした。悲鳴を上げる朱顔。 第8話。 朱顔は重明が飛ばした岩で絶体絶命のピンチ! 突然現れた青罡がその岩を剣で粉々にした!重明は消え去った。 「郡主、怪我はないか?」 「なぜ助けたの?勝負をつけたかったのに、邪魔しないでよ」 「赤王の件が気に障ったか?私は率直で口下手だが、お父上と君に悪意はない。あんな闇討ちは見逃せない」 「本当に石頭ね」 話してみると、青罡は気持ちのまっすぐな好青年で汚い手を嫌う。2人は組むことになった。青罡が朱顔の手をつかむと、2人の手はハリポタ的な誓いのロープで結ばれた。 鏡画面で弟子候補の様子を見守る大司命。 「誰を弟子にするかは、この私が決めていく」 大司命は巾着袋を弟子に渡した。 「この『勝』の巾着の中に名があれば首席候補だ。『敗』の中に名があれば事故などで脱落させよ。必要とあらば殺せ」 『勝』の巾着の中には『白』と書かれた木札が。鏡画面には白姉妹が映っていた。 「その娘だ。時影が即位すれば白一族の郡主を娶る。白雪鷺は白家の長女であり、聡明だ。皇后になれば時影を補佐できる。2人の縁は決まりだ」 もう一つの巾着には『青』と書かれた木札が。 「青罡の選抜参加は建前で、少司命の偵察が真の目的だ。私の前でこざかしい細工をするとは。退路を絶ってやろう。窮奇(きゅうき)を奴のそばに誘い出せ。事故があっても奴の運命だ」 「赤族の郡主のほうは…?」 「同じ組になったのも運命。命を落とすなら、それもまた運だ」 青罡は朱顔に、戦場では仲間を見捨てぬと言った。此処でも同じことだ。朱顔は弟子入りは嫌だと説明。ここで下山する。道連れで失格にしてごめんね。 青罡が、ではなぜここに来た?と聞いた時! 獣の唸り声!牛と恐竜のミックスみたいな窮奇が吠えた!2人は必死で逃げた!窮奇に追いかけられピンチ!洞窟に逃げ込んだ2人。青罡は朱顔に言われてようやく青族得意の毒?を放った! 青罡は毒は邪道で好きではないと言う。あまり研鑽してこなかった。さっきのは胡椒? 「猛毒はないのね?このままじゃおしまいよ!」 手をつないで逃げる2人。 それをじっと見ている時影。慌てて戻ってきた重明。時影はなぜ窮奇が?といぶかる。重明は「司空の2人が笛を鳴らし呼び寄せたのを見た」と話した。 「どこで見たのだ?」 「千月峰で…小娘を始末するつもりが、青罡に邪魔された」 時影は選抜の邪魔をした重明を咎めた。罰として木の上ではなく寝台で寝ると言う重明。 「お前のためだ。窮奇は常に山にいる。遭遇しても不思議はない。手出しするなよ」 でも、なにか怪しいと思う時影。 朱顔と青罡は崖っぷちに追い詰められた!朱顔は窮奇が中傷と闘争を好むと書に書かれていたのを思い出した。善人を食し、悪人を賞す。善を懲らしめ、悪を称える。 朱顔は青罡の悪口を並べ立てた。どんなに残酷で悪人か。そして窮奇のことは褒めた。幸福を招く獣だわ! 青罡が罵ってくれないので、朱顔は自分が悪者だと訴えた。窮奇はそれを信じて、2人に興味をなくし去って行った。 青罡に窮奇の性質を説明した朱顔。すると今度はひどい臭いが! 時影は黒いモヤモヤを鏡画面で見た。重明はそれを伝説の『混沌』だと言った。 「数百年現れていないのに、なぜ今頃?」と重明。 時影は窮奇の影響だろうと推察。 「奴の時空を超える技に誘引された」 「天地開闢(かいびゃく)以前の存在で、法術も通用しない恨みの塊だぞ。星尊帝ですら手を焼いてた。お前と大司命でも対抗できない」と重明。 時影はモヤモヤから逃げ惑う朱顔と青罡を鏡画面で見守る。 「混沌が通れば虫も残らず、すべての命が息絶える。窮奇から逃れても、あの2人が飲み込まれれば…骨すら残らぬな。これも天意だよ!」 振り返ると、時影の姿は消えていた。 「助けに行ったのだ。まずい」 混沌にのまれそうになって、朱顔は青罡を突き飛ばして助けた。次の瞬間、朱顔は暗闇の中へ。飛んでくる光に攻撃される朱顔。 謎の声が!しつこく付きまとうお前を少司命が嫌い、わざと困らせているのだ!と。 「こんな酷いことを少司命がするはずない!」 それでも少司命の悪口を吹き込み続ける謎の声。こうやって人の心に悪意を植え付ける。朱顔は声にとらわれ崖から落ちた! 朱顔の手をつかんだのは少司命。陳情令の逆パターンで時影が朱顔を引っ張り上げる。朱顔には誰の手か分からず、助けられた後も「少司命を殺す!あの男を始末する!」とわめく。 「少司命は目の前にいる」 「はなせ!」 朱顔は錯乱したまま時影の腕に噛みついた。まるでナウシカのキツネリス? 「なぜ避けない?」 「生きるんだ」と言う時影。 苦しむ朱顔を法器の傘をさして守る時影。 「ここはしんれいの洞窟だ。そなたは悪意を利用された。何も見ず、何も聞くな」 ようやく正気に戻った朱顔だが、目がよく見えない。声もおかしい。時影は混沌の中にいると教えた。原初の世は混沌としていた。神々の天地開闢以来、ここは恨みのたまり場に。不周山に激突した共工、女媧に足を折られた鼈精。その恨みがここに残された。この混沌とした場所は恨みと邪気を最も好む場となった。 「あなたは誰?」 「何も聞くな。私を信じて共に来い」 外の世界では、青罡が朱顔を探していた。窮奇に襲われる白姉妹と遭遇。今度は青罡が雪鷺を罵る。親不孝で謀反人だと。それに海賊、男をてごめにする悪女!と。 結局、青罡は窮奇と戦い、跳ね飛ばされ、司空がこっそり窮奇を退治する。 青罡は雪鷺にタジタジ。朱顔が黒い煙にまかれて行方不明と知り、雪鶯は心配する。しかし、雪鷺は青罡を置いて先を急ぎ、これで少司命の一番弟子は私ねとほくそ笑む。 混沌の中では、朱顔が時影の衣をつかんで後について行った。ぼんやりとしか見えない朱顔。次々と襲う光。はずみで時影は朱顔の額にでこちゅー。 朱顔は時影が守ってくれたのも見えないし、額に当たったものが何か分からない。ふんわり冷たい…亡霊に似てる!ぶつかったのね!私、死ぬの? やれやれと思った時影は、チョコボール?を出して朱顔に渡した。勝手に魔除けの丸薬だと思って食べる朱顔。チョコボールは苦かった。おうれんの味がする。 朱顔はその味のおかげか目が見えるようになった。助けてくれたのはあの少司命。 時影は「弟子入り志願の六部の者たちを、全員無事に返したい」と言う。朱顔はまた疑い深くなっていた。 「私をかどわかした結果、騒ぎになったから助けたのでは?」 「好きに考えろ」 「これは何?」とおうれんを差し出して見せる朱顔。 時影は黄連(おうれん)を渡したのは黙らせたかっただけだと言った。 プンプン怒る朱顔は、さっき額に当たったのは亡霊じゃないと気づいた。 「まあ、いいわ」 嫌われてるのに一緒に行きたくないと行って、1人で先に歩いて行ってしまう朱顔。時影はしょうがないなと後からついていく。道は一つしかないから。 2人は深い谷にかかる葛橋のような所に出た。混沌の中では法術は使えない。谷を飛び越えることはできない。時影は橋の上にいる朱顔に閉じた傘を投げた。朱顔は傘で襲いかかる貪霊を叩き続けた。おかげで傘はボロボロに。時影はため息。貪霊は橋を壊し始めた。 「逃げろ!」 危ういところで、傘の長さのおかげで助かった周顔。 「混沌の中では、この法器だけが力を発揮した。この玉傘(ぎょくさん)を開けば、結界をなし外界の攻撃を防ぐ。閉じればただの棒で、力任せに振るうしかない。私がどう使ったのか見ていないのか?」 「私は…壊したわ。どうしたらいいの?」 「どうにもならぬ」 「弁償する。それでいい?」 時影は振り返って「何だと?」と。 「法器の弁償を。謝ります」 「謝罪するなら、私にではなく自分にしろ。私への弟子入りは互いが望まぬこと。法術を学ぶと言いつつ、法器の使い方すら、そなたは真似できぬ」 「では、先ほど怒ったのは…法器のことではなく、学ばないことに?」 「法器は物だ。惜しんだりはしない」 「ということは、私は法器より大事よね」 「戯言を申すな。命が大切なのは当然だ」 朱顔は嬉しくて泣いた。すると新たに橋が伸び始めた。花まで咲いて。時影は橋の上に立つと「来い」と言った。朱顔も一緒に渡り始め、落ちそうになって時影に抱き止められる。照れる朱顔はわざとじゃないと言い訳。すると橋はまた縮み始める。 「思ったとおりだ。人間の期待、信頼、喜びは、この心の橋を再生させる。逆に不信感、猜疑心、偽りの言葉などの悪意は心の橋を破壊する」 「偽ってないわ」 時影は橋を渡るために楽しいことを話そうと言った。 「子供の頃、皇宮で世子に会った。助けられて、雪寒薇をくれたの。会ったのはその一度きりだけど、殿下の英姿は今も覚えてる」 心の橋はぐんぐん伸びて花も咲いた。 「あなたの番よ」 「子供の頃、母がよく菓子を作ってくれた。とても甘くて美味だった。ただ、亡くなったあとは…」 橋はじっとしていた。 「子供の頃、父上に修行を反対されたの。若い娘が武器を振り回すのは良くないと。でも嘉蘭城から戻ると、世子の助言を聞き入れ、考えを変えた。今では教えてくれるわ!」 橋はさらに先まで伸びた。時影には楽しい話はもうできなかった。楽しい記憶がこんなに少ないの?と驚き気の毒に思う朱顔。だからいつも冷淡で無愛想なのね。 「春になると、淵家職が大きな凧を作ってくれる。よく草原で遊んだわ。凧はとても大きくて軽い。それに玉緋は草原で一番歌がうまい。節句を迎えるたび、家族でかがり火を囲み、手をつないで玉緋の踊りを見てたわ。羊肉も食べる。そうだ。雪鶯という友人がいる。嘉蘭城で生まれた。優しくてかわいい子なの。 朱顔は時影に楽しい話をたくさん聞かせた。心の橋は先へ先へと伸びていった。 ネタが尽きたが、最後に朱顔は「九嶷山で私たちは出会った」と言った。 「それも楽しいことか?」 「大変!間違えた!崩れる!」 でも橋は崩れることなく、もっと先へ、光のなかへ伸びていった。 「不思議ね?冷たくされたから、二度と会わないと誓ったわ。なぜ善意の橋ができたのかしら?」 時影は朱顔の手をしっかり握ると「行こう」と言って、手を繋いで歩き出した。橋には次々と花が咲いて、2人は谷の向こう側にたどり着くことができた。 「出会いの日のことを、あなたも思い浮かべてた?あなたにとっても楽しい思い出だった?」 横を向いて考える時影。朱顔は手を振り解いて言った。 「そうね。追い返して楽しかったでしょ?」 「急ごう」 時影は先に立って歩き出した。あわててついていく朱顔。やがて2人は小屋を発見。咳き込む老婆が現れた。
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by hiyoko0405
| 2024-02-19 09:13
| ドラマ
2024年 02月 18日
与野駅西口のスーパー、与野フードが建て替え中で、いま更地になってまして、いつ建物は完成するのか?そもそもいつから工事が始まるのか?と、近くに行ったときに見に行く程度に気になってました。 2024年5月1日から工事が始まる看板が設置されてました!完成は来年の7月になってます。4階建てとのこと。店舗と事務所?上をマンションにするのかと思ったら、違うんですね。 その西側道路を挟んだ反対側に、10階建マンションの建設工事が始まる模様。細長い感じ? #
by hiyoko0405
| 2024-02-18 16:16
| 日記
2024年 02月 18日
大宮で梅を見た帰りに、ヒルナンデスで紹介されたパン屋さんに行ってきました。 旧大宮図書館。 Kinoさん。 12時前に行ったら、50人くらい並んでました! パン屋さんはどこ?と思ったら、1階の奥のほうの小さめスペースにお店がありました。 並んでるパンをトングで取るタイプのお店ではなく、吉祥寺とかにあるような、ケースに並んでるのを注文するスタイルでした。お店の方の白いユニフォームがオシャレ。 並んでるうちに、あんぱんが追加で焼き上がり、無事に購入できました。 中のあんこはあっさり目。ほのかな塩味。 大麦食パンも焼きたて! 有機野菜の売り場で買ったお野菜。 少しお安くなってるコーナーのものですが、めっちゃ美味しい。 どれもこれも美味しかったー! 平日にまた買いに行きたいです。 #
by hiyoko0405
| 2024-02-18 15:59
| 日記
2024年 02月 18日
梅が満開だと聞いて大宮公園に行ってきました。 第二公園の水車がいつの間にか復活してる〜! 今日は長袖1枚で大丈夫なほど、日中は暖かい。 大陶器市は23日からみたいですが、梅を楽しむお客さんで賑わっていました。 いろんな犬種のわんこお散歩を見るのも密かな楽しみ。大型犬からチワワまでいろいろ出会えました。 ロウバイもきれい。 ついでにコクーンの河津桜もきれいでした。 #
by hiyoko0405
| 2024-02-18 15:46
| 日記
2024年 02月 14日
バレンタインデー 今日は私たち夫婦の何十回目かの結婚記念日 おっさんずラブリターンズ 春牧の結婚記念日 今朝のNHKあさイチ推しライフの推し名書き スキマスイッチ発見! そして夜はYouTube配信 そしてとうとう 「Lovin’ Song」MV公開! 林遣都さん来店で泣いた! 電話がリアル圭くんにかけてたって聞いてびっくり! ほんといい曲! #
by hiyoko0405
| 2024-02-14 23:23
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