8月の戦争ドラマ |
「はだしのゲン」は息子も一緒にみて、非国民だといじめられるところや原爆にあって田舎に逃げてからも苦労するところはゲンたちの気持ちになって一緒にいきどおりながらみていた。マンガを読んだ事がある夫の話で、ドラマ化された部分以降、悪い事もしないと生きていけなかったことやゲンたちが原爆症に苦しんだということも聞いて、子どもなりに戦争してはいけないと理解したようだった。息子と同じくらいの子どもたちがどんなに悲惨な目にあい、どれだけ必死で生き延びたかと思うと・・・それにどれだけ多くの人が死んでいったかと思うと、今わたしたちにできることはその思いを無にせず頑張る事しかないと思う。
残念だったのはドラマで食べるものにも事欠いているという話をしていて、直後に食品会社や化粧品だとかのCMがはいること。商品によっては、そんな贅沢しては申し訳ないという気にさえなった。番組の最初にドラマのスポンサー企業名をあげて、ドラマ中はCM自粛していたら、その企業はかっこいいなって思えただろう。
もうひとつはテレビドラマだから仕方ないのか、役者さんたちがお肌つやつやでとても飢えに苦しんでるようにはみえなかったこと。成宮くんの演じた、原爆で全身に火傷を負った青年が、膿みただれて異臭を放っているようには見えなかったのも残念だった。包帯の上から赤い絵の具で血を描いたって感じだった。
せっかくのドラマなのに、なんとなく中途半端だった。
「水木しげるの戦争」のほうは、今年のベスト5に入る作品と思う。NHKだからCMがはいらないので、ドラマに集中できたのはもちろん、南方戦線の悲惨さ、玉砕の理不尽さに見終えた後ずっとずしんと心に残るものがあった。
NHKではもうひとつ「青春が終った日 日本が見えない 竹内浩三 戦時下の詩と生」もよかった。浩三さんの母校、日大芸術学部の学生達が俳優柄本祐と共に浩三さんの足跡をたどるもの。
ぼくもいくさに往くのだけれど
今どきの若者と同じようなのびのびした感性を持つ青年が、いやおうもなく兵隊にいかされることの無念さ、わけのわからなさが胸を打つ。
中公文庫で本もあるので、ぜひ読んでみたい。