パリの恋人 第16話 |
テヨンがギジュのためならなんにでも耐えられるけなげな女になっていき、ギジュは仕事のトラブル続々、スヒョクは悪事とテヨンへの思いの間で神経をすり減らして行く・・・重い展開になってきました。
これまでと打って変わってよそよそしいスヒョクの挨拶を受け、ハン家の食事会は重苦しいスタートを。会長とギヘからの嫌味の連発に耐えていたら、スヒョクが「けんか腰じゃ食事も喉を通らない、話は後にしたら」って助け舟出してくれた。やっぱり目の前でテヨンが辛い目にあってると黙ってられないのね。ギジュは怒りのあまりテヨンをかばう余裕が無いのかも。
頑張って台所を手伝おうとしても、難癖つけられて(自分だったら耐えられない)テヨン可哀想に。
カン叔父さんはビデオ屋でそわそわ。店主はサムスンのお父さんやってる人だ。店を出たところでぶつかった相手は会長の命令で秘書が手配したスリなのに・・・
2階の自分たち用の居間で話すギジュとスヒョク。
「平気な顔してくれてありがとう」とギジュ。
「なぐったこと?テヨンと家で会うこと?」
「両方だ」
「しかたないさ。これからもあることだから」
「スヒョク、辛抱してくれ」
「見返りが?」
「後で話そう」
ギジュが自分の部屋に行ってしまい、ひとり残るスヒョクの前にテヨンが。
食事の支度が出来たこと言いに来たというテヨンに、
「言い返せ、けなげに耐える女なんてお前らしくない」とスヒョク。
「アドバイス?それとも怒らせたいの?・・・もちろんアドバイスよね」と微笑むテヨン。
そこへギジュが。2人で話してるとこみると、ギジュもちょっと動揺してる?
自分と話していたテヨンがギジュの方に行ってしまうので、スヒョクやっぱり嫉妬が顔に出る。
そのせいか、チェ理事と悪事の相談するスヒョク。ギジュを陥れるためならテヨンが悲しむ事になってもしょうがないと、頭の中がギジュへの怒りでいっぱいなんだ。
重苦しい食事会。し~んとした食卓に耐えかねてテヨンがあれこれ話しかけるけど、だあれも返事しない。これって苛めに近いわ。
(上流階級では食事中会話しないのがマナーってこともあるらしいが)
とどめの一言、ギジュが「うちの父は食事中に話すのは嫌いなんだ」早く言え~!
あやまるテヨンに、スヒョクだけが「別にいいさ、規則じゃあるまいし」と。
こんな家風ではスヒョクが家に寄り付かないのも分かるわ。
「うるさいぞ!」会長の一喝に、思わずびっくりして箸を取り落とすへまをするテヨン。
気まずいよね。
キムチの盛り付け方ひとつで、テヨンの育ちをさげすむギヘも会長もあんまりだ。
ハン家の嫁にふさわしいよう支度できる金を渡したという会長。
ギヘも会長も食事を中止して、席を立ってしまう。
「これなら呼ばないほうがましだ」と怒るギジュ。内心はギヘの態度が悲しかったと思うよ。
「食えよ。せっかくの料理だ」とひとり食べ続けるスヒョク。
お金をもらった覚えが無いテヨン。そこにカン叔父さんが会長にお金を返しに来る。
大金過ぎて落ち着かず、眠る事もできなかったと。
ところがどこを探しても持ってきたはずのお金が無い!
「やはり家柄だな」と冷たく言い放つ会長。
「おやじ、説明してくれよ」とギジュが詰め寄る。
「(さっきお金のことは知らない、何かの間違いではと言ったことを)お詫びします」とテヨン。
テヨンがきちんと育った女性だってこれから話すことで分かるのに。泣けるな~。
涙を堪えて、
「金額が大きすぎて返すことも無理です。
でも、今後努力する事でお返しします。
それから、お金は私に直接くだされば、ありがたくいただきます。
私も家族の一員ですから。
今日は、残念な食事会でしたが、またお招きいただけたら喜んで伺います」
これを聞いてるギヘも会長も自分を恥じたと思うよ。いくらギジュの秘密を守るためにテヨンとのことを破談にしたいとたくらんでいても。それにスヒョクも耐えがたかったんじゃないかな。テヨンがこんな仕打ちを受けるなんて、自分のことのように辛いはずだもの。その怒りが結局ギジュに向かってしまうのか。
テヨンがカン叔父さんとハン家を去って、ギジュの我慢も限界だ。
「わざとだな!この家の悪口を言わせるように、仕向けてるのか?俺は明日、家を出る!」
テヨン、カン叔父さんにも優しい。お金を受け取ったのは仕方ないと。
私に恥をかかせたいがために、叔父さんにはどんな手を使っても金を渡したはずだ。叔父さんは悪くない。だから家に戻って欲しいと。
ギジュをみて、叔父さんはあわせる顔がなく逃げてしまう。
「今日は失敗だったな」とテヨンを気遣うギジュに、「車を貸して」とテヨン。
テヨンのストレス解消法。車の暴走!隣で叫び声を上げて恐怖におののくギジュが!(笑)
重苦しい展開の後、こういう笑えるシーンがあってよかったよ。
そのころスヒョクは部屋で何か思い悩んだ末、夜の街をマラソン!
テヨンを苦しめる事、助けてあげられないこと、これからする事、頭の中でうずまいちゃってるスヒョク、思いとどまれ!
夜の川辺で涙堪えるテヨン。
お互い、カン叔父さんの事も、会長のことも、本来はいい人だと語るテヨンとギジュ。
「頭にきたら俺を殴るか噛むかしろよ」とギジュ。
「うまれつき悪い人はいない。環境がそうさせるの」とテヨン。
「また雇用契約を結ぶか?家政婦として雇いたい」
毎日家に来いってことなのかな?遠まわしに話すギジュが、彼らしくていいわ。
ギジュの借りたマンションに、家具を運び込む日。
引越し真っ最中でもひとりデスクで仕事してるギジュ、忙しく動き回るテヨン。
家具の置き場所をいちいち聞くから、ギジュにからかわれちゃう(笑)。
映画館CSVでは、スンギョンがテヨンの婚約指輪見て、
「私の時より大きいわ。愛情に比例するのかしら」
「ものにこだわる愛だったら、婚約できなかったと思います」と応えるテヨン。
うなずくスンギョン「あの家大変でしょ?ここで働くのもいい顔しないはずよ」
あの家柄に合うとは思えないスンギョンだもんね。いくら政略結婚だったっていってもね。
あの家にいて、ギジュからも愛されてなかったとしたら、離婚は当然かも。
映画館の新企画の会議。本部長みずから下っ端社員と会議するんだ~?
スンギョン、テヨンの意見も快く聞き入れて、障害者向けの試写会を開催。
MP3プレイヤー握り締め、会社で考え事してるスヒョク。
「好きな人がそばにいたらね」とユナ。
「それは敵も同じ」とスヒョク。
「私たちの計画が成功したらおごってくれる?」
「お断りだ」
「殺し屋は依頼人とは飲まないわね。感情が邪魔するから」
「どっちが殺し屋だ?」
「あなた(スヒョク)が殺し屋でしょ?」
「ごめんだ。殺し屋はそっちさ」
「なら、テヨンを殺しても?」
おもわずきっとなるスヒョク。
「依頼してない」
「私も、彼を殺せとは頼んでない。最近のあなた、目が怖いわ。彼がおかしくなったら困る」
「君の望みはハン・ギジュだけだろう?」とそっぽむくスヒョク。
社報チームのチーム長(代理)になったユナ、会長にテヨンをまた広報で雇うよう頼む。
テヨンはギジュのマンションに家事をするため通ってる。あいかわらずテヨンを見張ってる会長秘書、テヨンから牛乳をもらい、食事に招待されて、ついニコニコ。
夕食作りに奮闘するテヨン。「こげてるぞ、そっちはふきこぼれてるぞ」とからかうギジュ。
そこへいきなり、部屋に勝手に入ってくるユナ。
「礼儀知らずだな」と怒るギジュに、
「社内報の取材よ。シンデレラの恋の行方は?ガラスの靴にひび割れは?」とユナ。
「靴は強化ガラス製よ。トラックでひいても無傷のままよ」と言い返すテヨン。
「(記事は)自分で書いたら?」と意味ありげなユナ。
会長から呼ばれるテヨン。行ってみると、また会社で働けという会長。
ギジュのところへ相談に行く途中、社内でスヒョクと出会うテヨン。
「会長に会いに来たの」
「いちいち報告する事無いさ。嫁なら会う機会もある。じゃあな」
テヨンを置き去りに背中を向けるスヒョクだけど、心が張り裂けそうなのが見て分かる。
話してるのが辛いからそっけなくするのか?そんなスヒョクを見送るテヨンも悲しい。
ギジュの秘書くん、外出から帰ったら面白い話を聞かせますって。
「それでなくても毎日面白いよ」
「恋人とアツアツですからね」ってギジュを冷やかす秘書くん、ちょうどそこへテヨンが。
ユナはドカドカ入ってくるのに、テヨンは照れながら入ってくるのが可愛いよね。
会長からまた会社で働くように言われたと話すテヨン。
公認の社内恋愛カップルね!って喜んでるけど。
内心はふたりとも何かのたくらみがあるんだろうと思ってる。
秘書くんのほうは、ジョンハク(Jモーターズ社長で、ギジュの同級生でライバル)から寝返るよう誘われてる。でも冷ややかにそれに応じて、かえりぎわ「中華はショボイでしょ?夜の接待くらい頼みますよ」って嫌味言い放つ秘書くん、痛快だわ。
イライラしてるジョンハクに、スヒョクからの電話がはいる。スヒョクは会社で、車のデザインが記録されてるCDをこっそり持ち出す。
ギジュの会社。新開発の車のデザインはスヒョクのデザインしたものに決定。
誰のデザインに決まったかを聞きに、ギジュのところへやってきたスヒョク。
「セダンは嫌いだったんじゃないか?」と聞くギジュに、
「社長の命令じゃ、しようがない」と答えるスヒョク。その答えが素直じゃないのが気になるギジュ。
資金集めのことまで気にするスヒョクになんか変だと感じるギジュ。そこへ秘書くんが戻ってきた。案の定、寝返ってJモーターズに来るよういわれたと、ジョンハクの様子を話す秘書くん。
スヒョクが「だいじな約束があるから」と言って、その場を去っていく。
ギジュが「チェ理事を探れ」と秘書くんに。
「スヒョクが何か?」チェ理事と会ってるとこをたびたび目撃してたから。
でも社長(先輩)の甥だし、いまや同僚だし、言葉を濁す秘書くんだった。このときはっきり怪しいって事言ってたら!秘書くんに借りてるフロッピーをとりに、実家に立ち寄る事にしたギジュ。
ジョンハクと会ったスヒョクは、ギジュを陥れるためにジョンハクに資金をまわすこと、GD自動車より前に新車を発表する事をもちかける。デザイン流出もと言い出すジョンハクに、
「さすがにそこまではね。でも考えて見ます。なんでも2度目は楽だから」と答えるスヒョク。
すでにそのつもりでCD持ち出してるんだよね。
ムン議員に電話して、モーターズに融資するようにテハン銀行に圧力をかけることを命じるスヒョク。帰宅したスヒョクは、母ギヘの膝枕をせがむ。
「すこしのあいだ、こうしててよ。とてもつかれた。
たくさん話しすぎて、心が空になった」と母の膝に頭を乗せて目を閉じるスヒョク。
思わず体を硬くして、「夕飯は?」と立ち上がろうとするギヘ。
「5分だけ。いや10分だけでいいんだ。
・・・母さん、どうして俺を嫌う?昔からそうだよね。
母さんの心は叔父さんにしか向いてない。
たった一つしかないものは、2つに分けられない。
母さんの心もだ。なぜ、叔父さんだけ・・・?なぜ俺を見ない?」
その時、ギジュが帰ってきて、思わずスヒョクを押しのけるギヘ。
ギジュをにらみつけるスヒョク、ギジュのほうへ行こうとするギヘをおさえて、
「母さん、後悔はなしだ。半分は母さんのせいだから・・・」いつもと違うスヒョクを不安に思うギヘ。今までの仕打ちがあるにしても、これからする悪事を母親のせいにするのもね・・・
部屋で荷物を片付けてるギジュ、スヒョクと一緒のホッケーの写真もバッグに入れてる。
「新生活のほうはどう?」とスヒョク。
「だいじな約束は?」
「何の約束か知りたくないか?俺は知り合いが少ない」
「その約束、俺と関係が?」
「さあ・・・新居に招待してよ」
「ああ、好きな時によればいい」
「今度行くよ。そうだ、よくテヨンも?」
なぜテヨンの事を聞くんだと思うギジュ。
ギジュのマンションでメモを書くテヨン。
映画を見ました。人生ってまるで映画そのものね。あなたと会ってからこれまでミステリー、アクション、ホラー・・・事件や事故の連続で、しかもNGばかりよ。いま撮影中なのはロマンチックな純愛メロドラマってとこかな。もちろん、私の人生の相手役はあなたよ。あれ?ホラーだったりして?冗談よ。エンドロールに私とあなたの名前が並んで流れるといいな・・・
メモを読みながら微笑むギジュ。メモをしまった引き出しに入っていた、スヒョクとの写真を見つめるギジュの心の中には・・・すっかり変わってしまった甥を心配してるんだろうね。
テヨンがCSVを辞める日。カン叔父さんはやっと真面目にお店のCM撮りの仕事をしている。
スンギョン、テヨンと一瞬握手して、「テヨンさんならお義姉さまの心を動かせるわ」って言ってくれた。ギヘって、誰に対してもああいう殻に入ったような接し方だったんだね。
そのギヘのブティックに、花束持ってやってきたテヨン。ついにギヘが思っていた事を言う。
「弟が選んだ人なら顔も見ないで賛成していた。なぜ反対すると思う?スヒョクの立場は?あなたのこと、ギジュより先に聞いていた。帰国早々、しあわせそうに、恋をしてるって話したのよ」
「私も率直に言って、スヒョクは好きです。でも恋愛対象ではなく、いい友達として。彼はあくまで私の好きな人の甥です。その気持ちはスヒョクにも伝えました」
事情が分かってため息をつくギヘ。でもまだ花を受け取る気にはなれない。
本屋で山ほど本を買うテヨン。読んで嫁ぎ先との関係改善を研究するつもり。
ギジュのほうは新車開発に暗雲が。テハン銀行がGD自動車への融資を断り、Jモーターズに融資した。
チェ理事が冷たくギジュに言い返す。
「自業自得では?ゴルフ場の一件です。強引過ぎてマイナスになった。社長に従わない社員もいます。空砲の脅しも効かない。ご自身が原因です」うわ~いままでの恨みが噴出してる。
苛立ち、ロビーを歩くギジュを、上から見下ろすスヒョクとチェ理事。
「初勝利だな、おめでとう。あとは私に任せろ」とチェ理事。
「はじめてみるよ。ハン・ギジュがイラついてる後姿を。あわれだな・・・」とスヒョク。
ギジュとテハン銀行頭取の面談は決裂。「社内に内通者がいる」とギジュ。
ギジュのマンションでアイロンかけしてるテヨン。
映画の真似してギジュのYシャツ着てポーズ。ちょうどそこへピンポン♪
ギジュかと思って出てみたら、ドアの前に立っていたのはスヒョク!
「ハン社長・・じゃなくて、叔父さんはまだよ」
「会いたいのはお前だよ」とじっとテヨンを見つめるスヒョクの様子がおかしい!
そのころギジュがマンション下の駐車場に。
「話がある」
「じゃあ、なにか飲みながら話そう」いたたまれず、その場から離れたいテヨン。
暗い目でテヨンを見つめていたスヒョクは、キッチンに行こうとしたテヨンの腕をつかみ、肩をつかんでそのまま壁に押し付け、「聞こえたろ?話がある」
「嫌よ離して!」とスヒョクから逃れようとするテヨンを、ますます強く押さえつけ、
「嫌だ。もう誰にも遠慮しない。特に叔父さんには。お前を必ず奪ってやる。
誰にも渡さない・・・」
暗く冷たい目をしたスヒョクに、思わず息を呑むテヨン・・・
今にもギジュが帰ってきそう・・・
好きな女が、別の男の服を着てたら、逆上するよね。それに見た感じもう奥さんみたいな様子なのが耐え難いんじゃないかな。スヒョク、そうじゃなくても彼女を取り戻したい、自分を見て欲しいと思ってるのに、どんどんギジュのものになってしまうのを間近で見るのがどんなにつらいか。理性じゃなくて感情が勝つスヒョクだから、テヨンに執着しつつテヨンとの関係がどんどんこじれていってしまうんだ。でも、力で自分のものにしようとしたら、テヨンはますますスヒョクから離れていってしまうのに。