女正月 向田邦子ドラマ |
父親は10年前に亡くなり、母(加藤治子)と子らが暮らす家、長女(田中裕子)は結婚して家を出ていて、次女(南果歩)が結婚したいと連れて来たのが、長女の過去を知る男。長女はある作家のおこした心中事件に関係して心身が傷ついていた。
昔よく向田邦子ドラマを放送してましたが、その頃は私もなにかと子どもだったんで、深いところがよく分かっていなかったらしい。
テレビつけたらちょうど始まったところで、最初は懐かしく、だんだん引き込まれて観てしまいました。
田中裕子が貞淑な妻の役。地味なのに内に秘めた男を惑わす色気がすごい。それが最後にぬらぬらと本性を表すところが衝撃もの。女って怖いなって震えるほど魅力的で、やはり上手い女優さんだな。
そんな娘を守る母親は加藤治子さん。親としての感情は悲しみだろう、でも母娘で通じるところがあるだろうから、女は怖い。
破滅的な男を小林薫さんが、その正反対の無口で真面目なダンナさん役で岸部一徳さんが演じています。
どろどろの原因である男たちがいなくなり、せいせいした顔の女性たちが内心は色々あっても仲良く15日の女正月を過ごす様子が独特の毒を感じさせる脚本で描かれているのでした。
女正月とはお正月の飾りを焼き、女性たちが忙しく立ち働いた年末年始の疲れを癒す行事。再生の意味も重ねてあるのかと思います。